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世界に広がる「ヨネックス」ブランド―グローバル戦略を海外担当役員に聞く

米、英、独、中国、香港などを起点に展開加速
世界に広がる「ヨネックス」ブランド―グローバル戦略を海外担当役員に聞く

「中国や米国など外国籍の社員を採用するなど、海外業務に携わる社員を増やしていきたい」と語る海老原ヨネックス執行役員

 ヨネックスといえばバドミントンやテニスなどで有名なスポーツ用品のメーカー。その製品が急増する訪日外国人客の”爆買い“の対象となるなど世界的に人気だ。米、英、独、中国、香港などを起点にグローバル展開を加速する同社の戦略を海老原宏明執行役員海外営業部長に聞いた。

 ―中国では本格進出に向けて現地法人を設立し、バドミントンやテニスのラケットの直接販売開始にあたり、4月末に上海で新製品発表会を開きました。
 「500以上の販売店から担当者が来た。(中国の男子バドミントン選手で五輪金メダリストの)林丹選手らを呼んだ効果もあり、かなり盛り上がった。中国のナショナルチームは自国のメーカーと契約しているが、林丹選手は『ヨネックスのラケットを使いたい』と自分からアプローチしてくれた。中国は人口が日本の約10倍で、現地の人が求めるレベルの商品を提供すれば、大きな売り上げが見込める。良いスタートを切れたと思う」

 ―中国でのブランドの認知度について、どのように捉えていますか。また、模造品対策は。
 「高価格帯の商品ではトップメーカーだと思う。中国では富裕層が増えており、バドミントンラケットの場合は日本円で3万5000円程度の商品を販売している。模造品については、店頭で見つけたら公安に通報している。地道な取り組みだが、やめればどんどん模造品が出てくる」

 ―今後の販路拡大が期待できる国は。
 「インドでは代理店を通じて販売しており、富裕層増加などの影響で最近4年間で売り上げは6割伸びた。10代後半のバドミントン選手をインドネシアに派遣するなどして、競技の発展に寄与したい。東欧などでは強い選手の出現で、競技人口が増えている。米国では”バドミントンのヨネックス“のブランドイメージが強いが、テニスについても伸びしろがある。コーチを通じて選手にアプローチしていきたい」

 ―海外の自社工場はラケットを生産している台湾のみです。
 「ベトナムやカンボジアなど、東南アジアでは協力工場で対応している。今後、インドなどで需要が高まるのは間違いない。関税対策などとして自社工場を置くことも検討している」

 ―社員育成などの取り組みは。
 「大きな試合の際は本社から社員を派遣している。大会や契約選手のサポートをすることにより情報が取れる。中国や米国など外国籍の社員を採用するなど、海外業務に携わる社員を増やしていきたい」
(本文、聞き手=江上佑美子)

 【記者の目/高品質ブランド戦略がカギ】
 2015年3月期には海外売上高比率が約4割に達し、17年3月期には5割に引き上げる計画だ。新潟県と埼玉県にある工場を増強し、需要増に応える。外国人観光客が同社のラケットを”爆買い“する現象も起きており、高付加価値、高品質商品の開発や生産によるブランド戦略がカギを握りそうだ。
日刊工業新聞2015年07月15日 建設・エネルギー・生活面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
テニスでは全仏オープンの男子シングルスで優勝したワウリンカ選手がヨネックス製品を愛用しているようです。

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