150年続く仙台箪笥「時代にあったものを作る」

 伝統技術を身近に―。門間箪笥(たんす)店(仙台市若林区、門間友子代表、022・222・7083)は、明治初頭から約150年続く仙台箪笥の製造元。2012年、伝統の技とモダンデザインを融合させた家具ブランド「monmaya+(モンマヤプラス)」を立ち上げた。

 7代目の門間一泰専務は都内の大学を卒業後、リクルートに10年間勤務。ブライダル雑誌で家具店の広告やイベントも手がけた。11年、父の他界を受けて34歳で地元に戻り、家業に入った。

 和服を着る人が減り、たんすも家庭から消えつつある。「昔の形にこだわっていては、技術そのものが途絶えてしまう」。新事業に売って出たのは、そんな危機感からだった。

 木材を切り出し、組み立てる「指し物」、漆をムラなく塗り重ねる「塗」、鉄板に文様を刻む「金具」。昔ながらの工法を生かしつつ、アーティストの高橋理子(ひろこ)さんによる唐草模様の装飾金具を取り入れた。軽やかなデザインで、現代の暮らしにもなじみやすい。

 高橋さんを通じて知り合ったデザイナーの安積朋子さん、倉本仁さんが手がけたローテーブルや壁掛け棚などをラインアップ。「たんすになじみの薄い若い世代にも使ってほしい」との思いから、漆の代わりに柿渋で仕上げ、価格帯を抑えた「アップライト」シリーズも展開する。

 14年、米ロサンゼルスに期間限定出店したのを足がかりに、香港や中国・上海、台湾、シンガポールに進出。特に香港での売れ行きは好調で、7カ月間で3000万円を売り上げた。18年には現地法人を設立した。

 香港での成功で弾みをつけ、アジアを中心にマーケットを広げる。自社が開拓した販路を生かし、全国の伝統工芸品メーカーの海外進出支援も計画する。

 「たんすはもともと実用品。使う時代に合ったものを作ることが一番大切」と門間専務。次の世代に技能を伝えるため、門間箪笥店の挑戦は続く。
木を切り出して組み立てる「指し物」は、仙台箪笥づくりの基本

日刊工業新聞2018年7月6日

明 豊

明 豊
07月08日
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初代仙台藩主・伊達政宗の命で建具の一部として作られたのがルーツと言われる。本体にケヤキ、内部にはキリを使用。塗りと磨きを30工程にわたり繰り返す「木地呂塗り」で、重厚で深みのある色合いに仕上げる。ボタンや唐獅子などをかたどった繊細かつ華やかな飾り金具も特徴。15年、経済産業省「伝統的工芸品」に選定。

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