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経産省がダイバーシティ経営にお墨付き。今年度も100社選びます!

昨年度受賞の上島熱処理工業所はシニアの人材活用が認められる
経産省がダイバーシティ経営にお墨付き。今年度も100社選びます!

上島熱処理工業所は「現代の名工」も社員から輩出、技能伝承に力を入れる

 経済産業省は14日、女性や外国人、高齢者など多様な人材を積極活用している企業を表彰する「ダイバーシティ経営企業100選」の募集を始めたと発表した。
 
 2012年度から4回目となる今年は「長時間労働の是正など働き方改革」、「女性の職域拡大と役割高度化」、「外国人の活用推進」の視点から選定する方針を採用。締め切りは9月14日。30―40社を16年3月までに選定し、公表する。
 
 大企業と中小企業の2部門に分けて募集。選定数はほぼ同数。同表彰制度は企業が多様な人材を生かすことが、創造的な事業活動を生み出すとの考えに基づく。表彰された企業は多様な人材を生かす企業としてのお墨付きを得られることで、優秀な人材を確保しやすくなるなどのメリットが見込める。

昨年受賞の上島熱処理工業所「定年の60歳で辞める人はほとんどいない」


 上島熱処理工業所は塩浴炉(ソルトバス)や真空炉を使って金属製品の熱処理を手がけている。顧客から「難しい熱処理は上島に頼め」と口コミされるほど信頼が厚い。この技術力の一端をシニア社員が支えている。

 主に50―60代の鉄鋼メーカー出身者を採用。上島秀美社長は「優秀な人材だけにスカウトした」。高い技能を持つプロパー社員には再雇用の道がある。本人に働く意志があり健康であれば働き続けられる。「定年の60歳で辞める人はほとんどいない」と言い、現在、60歳以上の社員は10人いる。

 こうしたシニアの人材活用が認められ、経済産業省が選定する「平成26年度ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれた。今後はシニア社員の力を借り技術力を向上させ、航空機部品などの受注獲得を目指す考えだ。
 
▽所在地=東京都大田区仲池上2の23の13、03・3753・7788▽資本金=1000万円▽売上高=5億円(14年5月期)▽従業員=46人▽設立=1956年年5月
日刊工業新聞07月15日2面
神崎明子
神崎明子 Kanzaki Akiko 東京支社 編集委員
過去の表彰企業を取材したことがありますが、とりわけ中小企業では「優秀な人材に長く働いてもらいたい」の一念で進めてきた社内環境の整備が、結果として「ダイバーシティ経営」だったというケースが少なくありませんでした。こうした地に足のついた取り組みを掘り起こし広く発信するうえで意義のある表彰事業といえます。

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