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ディープラーニング検定、合格者ネットワークで人材育成を加速

最優秀者は半年前までAIと無縁だった?!
ディープラーニング検定、合格者ネットワークで人材育成を加速

前列左から4人目が最年少合格者の岩田さん、同5人目が日本ディープラーニング協会の松尾豊理事長、同6人目が最優秀合格者の梅比良さん

 日本ディープラーニング協会(東京都港区、松尾豊理事長〈東京大学特任准教授〉)は、ディープラーニング(DL)を事業に応用できる知識を持つ人を認定する「G検定」の合格者の会を4日に都内で初開催した。他地域での同会の開催や合格者コミュニティーを通じ、人材のネットワークをつくり、それぞれの活躍の幅を広げてもらいたい考え。

 あわせて、最年少合格者や優秀合格者を表彰した。最年少の合格者は、情報科学専門学校(横浜市神奈川区)に通う21歳の岩田匡平さん。学校で人工知能(AI)ゼミが発足したことをきっかけに、ゼミのメンバーと一緒に受験した。画像を分類するAIを扱った経験があり、G検定に向けて3カ月間ほど勉強したという。知識を生かしながら、「就職までの1年、企業のインターンなどでいろいろな経験をしたい」と話す。

 最優秀合格者のNTTコムソリューションズ(東京都千代田区)の梅比良直紀さんは、「半年前までAIのことは知らなかった」という。以前は基幹システムを担当しており、新しいチームへ配属されたことを機にAIの勉強を始めた。「1回目のG検定を受けた人が社内におり、その人を囲んで、AIに詳しい人も、そうでない人も毎日のように勉強した」という。同社からは、梅比良さんを含め、3人が優秀合格者に選ばれた。

 G検定の合格者数は、2017年12月実施の第1回と2018年6月実施の第2回検定の合計で1959人となった。10代から70代まで幅広い世代が受験した。DLやAIの社会実装に向けて、人材育成は大きな課題となっている。基礎知識を身に付けるG検定は人材育成の入り口となると期待される。9月にはエンジニア資格の試験が開催される予定で、G検定受検者の約6割がエンジニア資格の受験に意欲があるという。
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
合格者の会の会場は熱気に満ちていました。1人の「やってやろう」という気持ちが他の人に伝わることが、AI人材を増やすことにつながると思います。AIが初めてでも一生懸命がんばれば合格できるというのは励みになります。今、AIを遠くに感じている人も、知っているつもりの人も、飛び込むと景色が変わるのではないでしょうか。

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