体温と大気の温度差で発電

ウエアラブル機器などに

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使われていなかったエネルギーを電力に変換
 早稲田大学と大阪大学、静岡大学の研究グループは、体温と大気などのわずかな温度差で発電できる技術を開発した。熱電発電素子という半導体の一種。小さな温度差で発電でき、低コストで生産できるように新構造を提案した。5度Cの温度差で、1平方センチメートル当たり12マイクロワット(マイクロは100万分の1)の電力を発生できる。IoT(モノのインターネット)向けセンサーやウエアラブル機器への利用が期待される。

 新技術は、物質に温度差をつけることで発電する仕組みがもとになっている。半導体集積回路上のシリコンは、ナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)の太さのワイヤー形状(ナノワイヤー)に微細加工することで温度差をつくり出せる。

 従来技術では、ナノワイヤーを長くして熱抵抗を大きくし、温度差を大きくする方法が一般的だったが、この方法は熱漏れを防ぐためにシリコン基板に空洞をつくる必要がある。製造コストが高く、強度が低下する課題があった。また、構造的に高密度に集積できず、小型化が難しかった。

 新技術は、シリコン基板を薄くし、基板の表面から裏面へ適切に熱の流れを制御することで、短いナノワイヤー中に大きな温度差を発生させる。基板に空洞をつくる加工は必要なく、通常の半導体集積回路と同じ方法で作成できるため、大量生産により製造コストを低減できる。

左:従来構造。右:今回発明された熱電発電素子の構造。〈ニュースリリースより抜粋〉

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梶原洵子
編集局第二産業部
記者

使われていなかったエネルギーを電気に変換するさまざまな技術が提案されています。

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