ベンチャーと金融機関や自治体が「民泊連携」

スペースマーケットが地域と提携戦略

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民泊分野で手を結ぶスペースマーケットの重松大輔社長(左)と西武信金の落合寛司理事長
 ベンチャーと金融機関、自治体が民泊で陣営―。スペースマーケット(東京都新宿区)は、西武信用金庫(同中野区)と空き家や不動産物件などを活用する民泊分野で提携した。同社が金融機関と提携するのは初めて。西武信金の顧客が持つ物件の収益化や有効活用が狙い。施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)を受け、同社は今後、全国の金融機関や自治体などと連携を進め、民泊事業の強化を図る。

 スペースマーケットは家屋や空きスペースなどを時間単位で貸し借りできるサービスを手がける。掲載物件は約9000件。映画館での社員総会や島でのコスプレ撮影会など奇抜な利用事例を創出してきた。

 2017年に民泊市場へ参入し、宿泊が可能な物件なども取り扱う。ただ民泊市場は、民泊サイト最大手の米Airbnb(エアビーアンドビー)が国内市場へ攻勢を強めているほか、民泊新法によって民泊可能な物件が減少するなど、事業環境の厳しさが増している。

 そのため、西武信金と提携することで競合他社が掲載しきれていない地元の空き家などを開拓する。西武信金が顧客に対して民泊の提案や民泊に向けたリノベーションの支援や融資を行う。

 スペースマーケットは西武信金の顧客網を活用することで、空き家の段階から安全性の高い物件を掘り起こす。

 そのほか、スペースマーケットは地方自治体との提携戦略も進めている。14日に岐阜県関市と民泊を促す包括連携協定を締結。関市は世界三大刃物産地として訪日観光客から人気を集める一方で、市内のホテルの客室数は100室程度と限られており、観光面での可能性を十分に生かしきれていなかった。

 今後、スペースマーケットは地域の住民に向けて民泊勉強会などを実施する。尾関健治同市長は「公共や民間の遊休資産と既存施設の利活用を促すことで、新たな経済需要の創出と地域内経済の好循環を図りたい」と期待を寄せる。

日刊工業新聞2018年6月15日

COMMENT

スペースマーケットの時間貸しサービスは、空間や時間を切り取る考え方であり柔軟性が高く、民泊とは別の視点でユーザーから人気を集めている。今回の提携は民泊分野とのことだが、「時間貸し」と「民泊」を持つスペースマーケットは、地域の金融機関や自治体にとっても外資系の民泊大手ではできないアプローチが期待できるだろう。

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