三菱ケミカルが機能性樹脂で異例の“海外本社”

パフォーマンスポリマーズ本部、日本からドイツへ移管

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自動車用エアバッグカバーのイメージ
 三菱ケミカルは自動車内装材などを手がけるパフォーマンスポリマーズ本部の本社機能を日本からドイツに移した。全社でも屈指のグローバル展開が進んだ機能性樹脂事業であり、人材の集まりやすい立地や時差から異例の“海外本社”を決断した。日本に過度に縛られずに顧客起点や人材のダイバーシティー(多様性)を徹底することで、海外での成長を追求する世界最適事業体制を目指す。

 三菱ケミカルの機能性樹脂事業は世界16カ国に計26拠点を構える。従来日本にあった企画や技術など横串の本社機能を、独デュッセルドルフの事業拠点へ移管した。ただ、日本にも必要な管理部門の一部は残る。

 同事業はエアバッグカバーなどの自動車内外装材をはじめ医療や食品包装、電線ケーブル向けなどで顧客の要望をそれぞれ聞き、即座に樹脂製品を開発して提供するのがビジネスモデルだ。そのため、各拠点にいる人材の機動的な配置に取り組んでおり、欧州からアジアや南米などへの派遣が活発だ。

 ドイツは人材ネットワークのハブ(中心)として適しているという。また、勤務時間の時差を考えても、日米欧、中国、東南アジアで比べると欧州が中間地点になる。

 同事業は4月に東南アジア(インドを含む)の地域統括拠点をシンガポールに設置した。人材の最適配置の加速とともに、各国の拠点が持つ機能を共有化する狙いがある。

 域内で必要な製品開発はタイの研究開発拠点で、樹脂原料の購入はシンガポールで引き受けるようにする。コスト削減効果も期待する。

日刊工業新聞2018年6月4日

COMMENT

鈴木岳志
編集局第一産業部
編集委員

三菱ケミカルは旧三菱化学時代の2009年に石油化学製品のテレフタル酸事業の本社機能をシンガポールへ移管した経験がある。ただ、当時は事業構造改革の一環であり、今回の機能性樹脂とはその趣旨が異なる。

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