国内ユニクロ事業の気になる数字
好業績のウラで何が起こっているのか―
ファーストリテイリングの2015年8月期第3四半期(14年9月―15年5月累計)の好業績の裏で国内ユニクロ事業の気になる数字が浮上している。9―5月期では海外ユニクロ事業の好調で増収増益、当期利益は過去最高を更新した。国内事業も増収増益を果たした。気になるのは既存店売上高を2ケタ近く伸ばしているものの肝心の来店客数は前年同期実績を割っている。客数の伸び悩みを単価の上昇でカバーしていることだ。店舗数もここ数年横ばいが続く。国内ユニクロ事業に何が起こっているのか―。
ファストリの14年9月―15年5月期は当期利益が前年同期比47・1%増の2102億円と絶好調。海外ユニクロ事業が売上高で同47%、営業利益も同55%も伸び好業績をけん引した。
国内ユニクロ事業も売上高は同12%増、営業利益も21%増と好調だ。ただ、売上高をよくみると気になる数字がある。既存店の客単価は同9・7%増と伸びているものの客数は同2・4%減と逆に減少しているのだ。
これをどうみるか。もちろん、高機能商品の拡充など客単価を押し上げる要因はある。だが、単価上昇は多分に昨年、秋冬物で実施した新商品の5%程度の値上げが効いているとみられる。いわば客数減を値上げでカバーし売上高を伸ばしたことが大きいとみられる。
国内の店舗数もこの数年、800店台中盤で推移していたが、この5月末は27店減少の814店となった。全国的に店舗網が確立し、飽和に近い状態なのか。
「ユニクロ」で国内事業を伸ばしてきた同社も、こうした状況を先取りし、姉妹ブランド「ジーユー」を育成してきた。ジーユーは第3四半期だけをみても既存店売上高は2ケタ増収、計画を上回る増収増益を達成した。ユニクロを補完する事業に育っている。
ユニクロというブランドの浸透度が高まって客数の大幅な増加が見込めないなか、付加価値商品の拡充で客単価を上げていくのは一つの戦略。しかし、今後、国内ではユニクロ一本足から脱却し、ジーユーと2つのブランドで新戦略を描く必要もありそうだ。
ファストリの14年9月―15年5月期は当期利益が前年同期比47・1%増の2102億円と絶好調。海外ユニクロ事業が売上高で同47%、営業利益も同55%も伸び好業績をけん引した。
国内ユニクロ事業も売上高は同12%増、営業利益も21%増と好調だ。ただ、売上高をよくみると気になる数字がある。既存店の客単価は同9・7%増と伸びているものの客数は同2・4%減と逆に減少しているのだ。
これをどうみるか。もちろん、高機能商品の拡充など客単価を押し上げる要因はある。だが、単価上昇は多分に昨年、秋冬物で実施した新商品の5%程度の値上げが効いているとみられる。いわば客数減を値上げでカバーし売上高を伸ばしたことが大きいとみられる。
国内の店舗数もこの数年、800店台中盤で推移していたが、この5月末は27店減少の814店となった。全国的に店舗網が確立し、飽和に近い状態なのか。
「ユニクロ」で国内事業を伸ばしてきた同社も、こうした状況を先取りし、姉妹ブランド「ジーユー」を育成してきた。ジーユーは第3四半期だけをみても既存店売上高は2ケタ増収、計画を上回る増収増益を達成した。ユニクロを補完する事業に育っている。
ユニクロというブランドの浸透度が高まって客数の大幅な増加が見込めないなか、付加価値商品の拡充で客単価を上げていくのは一つの戦略。しかし、今後、国内ではユニクロ一本足から脱却し、ジーユーと2つのブランドで新戦略を描く必要もありそうだ。
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