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大手志向強まる就職戦線、中小敬遠の背景は?

大手目指す新卒生、18年比12%増
 2019年春卒業予定の大学生らの就職活動は、面接などの選考が6月1日に解禁され、本格化する。人手不足を背景にした「売り手市場」が続く中、学生の大企業志向が強まっている。リクルートワークス研究所によると、従業員5000人以上の企業を目指す19年卒予定の大学生・大学院生は、18年卒比約12%増の13万8800人。ただ、採用枠は約5%増の5万1400人で、希望者1人当たりの求人数を示す求人倍率は0・37倍にとどまっている。

 就職情報大手ディスコの武井房子上席研究員は「周囲の期待などから大手志向になっているが、採用が大きく増えているわけではない。いつの時代でも狭き門」と指摘する。

 従業員300人未満の企業では、希望者数が求人数を大きく下回る状況が続く。19年卒の求人数46万2900人に対し、希望者数は約1割の4万6700人。中小企業が敬遠される背景には「大手と比べ待遇面が劣っているイメージ」(同研究所)などがあるという。一方、今年は売り手市場を理由に就職を楽観している学生が多いようだ。ディスコの調査では、「1学年上の先輩と比べ就職戦線が楽になる」と考える19年卒の学生は50・4%(昨年11月時点)と、18年卒に同様に聞いた際の約2倍に上る。
日刊工業新聞2018年5月29日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
私が新卒入社の就職活動に勤しんだのはリーマンショックの前の年。売り手市場でしたが、やはり大手や人気職種の就活は簡単ではなかったですね。

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