ATMの試験工程に「人協調型ロボット」日立オムロンが生産効率化狙う

テンキ―を入力して正しく動作するか確認。導入効果を検証し活用範囲拡大へ

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川田工業の人型ロボット「NEXTAGE」
 日立オムロンターミナルソリューションズ(東京都品川区)は、製造した現金自動預払機(ATM)の試験工程の一部に「人協調型ロボット」を導入する。秋頃から稼働を始める。同社が試験工程をロボットに置き換えるのは初めて。試験は一般的な産業用ロボットによる完全自動化が難しい。従来は人が行っていた多品種少量品の試験工程の一部を自動化することで、生産効率の向上を狙う。

 ATMの基幹部品などを製造する子会社の日立ターミナルメカトロニクス(愛知県尾張旭市)に、川田工業の人型双腕ロボット「ネクステージ」を1台導入する。ATMのテンキーユニットで命令を読み取り、入力して正しく動作するか確認する試験に利用する。

 ATMは部品点数が多く、年産5000台程度の多品種少量品が占める割合が大きい。日立ターミナルメカトロニクスでは自動化による生産効率化を推し進めているが、多品種少量品は生産を自動化するのが難しかった。そこで単純作業のように、人と産業用ロボットの中間的な工程を人協調型ロボットに置き換えることで、生産効率の向上やミスの削減といった効果を狙う。

 日立ターミナルメカトロニクスの吉田幸義取締役は、「現金を扱う評価試験など、セキュリティー要求の高い作業に広げられる可能性がある」としている。今後は導入効果を検証し、ロボットの活用範囲を広げることを視野に入れる。

日刊工業新聞2015年07月10日 電機・電子部品・情報・通信面

COMMENT

政年佐貴惠
名古屋支社編集部
記者

多品種少量生産品の生産効率を上げたいが、組み立てをロボットで自動化するのは作業難易度が高くコスト的に合わない・・・という状況の中で見いだした用途展開。「セキュリティー要求の高い作業にロボットを使う」という考え方は、今後、こういったの小型ロボットや人協調型ロボットを普及する上でのヒントになりそう。同様の事例だと、中国でのATMの普及がある。正確なハンドリングや偽造紙幣の判別機能を備えるなど「人よりも機械の方が信頼できる」という認識が広まったことが、市場を作る一つの理由になったそう。

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