佐賀大学病院のリハビリロボがさらに充実!

イスラエル製の上肢用運動訓練装置「ReoGo-J」を新たに導入

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佐賀大付属病院のロボットリハビリ外来で使用しているHAL
 佐賀大学は医学部付属病院に、リハビリテーション治療向けの上肢用ロボット型運動訓練装置「ReoGo―J」を導入した。イスラエルのモリトカの製品を、帝人ファーマ(東京都千代田区)が日本人の体形向けに改良した製品。ロボットの利用を通じ、効果的治療法の検討も行う。

 同装置は脳卒中などで上肢に麻痺(まひ)が残る患者のリハビリ治療で使用する。患者はモニターに表示される軌道に合わせ、動作を繰り返す。結果については表やグラフで見られるため、進行状況を把握しやすい。

 動作への負荷や速度を変更して組み合わせることによって多彩な条件設定が可能。上肢機能の効果的な回復につながると期待される。

佐賀大のロボットリハビリは10年以上の実績


 佐賀大学医学部付属病院の先進総合機能回復センターでは、ロボットを積極的に活用したリハビリテーションを提供している。パワーアシストスーツと呼ばれる、体に装着するロボットを複数台備える。2014年10月から「ロボットリハビリテーション外来」として治療と研究に取り組んでいる。15年2月にトヨタ自動車製の介護・医療支援ロボット「歩行練習アシスト」を九州で初めて導入。「これだけの機器をそろえた施設は全国でもめずらしい」と副センター長の浅見豊子診療教授は力を込める。

 同センターは01年に、当時先進的だった筋電義手を使ったリハビリを開始。11年にサイバーダイン製「HAL(ハル)」を下肢リハビリに導入した。現在までにホンダ製「歩行アシスト」やバイオネス製装具など先進設備を整えて、県内外から訪れる患者にリハビリを提供している。

 ロボットは症状で使い分ける。例えばハルは、脳卒中による両下肢まひ患者が下肢に装着してトレッドミルを歩く。体は上部から吊っており転倒の心配はない。腰部に装着するホンダ製機器は、体の左右のバランスを整える機能があるため、下肢の片まひや股関節に疾患を抱える患者らが用いる。トヨタ製ロボットは膝折れをセンサーが感知して防ぎ、歩行状態の改善につなげる。

 ロボットを使う利点は「歩行スピードが上がり心理的に良い。動くリズムをつくることが好影響になる」(浅見教授)こと。装着中は介助者に余裕ができるため、それまで目が届かなかった部分に目を向けられ、リハビリの質向上につながる。

 ただ、ロボットだけを使うわけではない。例えばハルは、週1回の利用を6週間続けることを一つのプログラムとしている。在宅療養のほか、注射で筋肉をほぐして動かしやすくするボツリヌス療法とも併用する。また院内のモーションキャプチャーという画像処理システムで、体の動きを3次元解析して機能回復の効果を可視化する。

 ロボットリハビリの手法はまだ十分に確立していない。そのため同センターではロボットを「先端的な道具」(浅見教授)として使うことで、患者の機能回復とともに、効果的な利用法の研究を進めていく。

日刊工業新聞2015年07月10日 科学技術・大学面、2015年02月26日 「佐賀大学特集」

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三苫能徳
西部支社
記者

このほか九州でのロボットリハビリでは、大分県別府市でサイバーダインが運営する「大分ロボケアセンター」が有名です。

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