米国が輸入車に20%関税提案、国内完成車メーカーに波紋

トヨタ「注視していく数字」

 トランプ米大統領が自動車メーカー首脳らとの会合で、輸入車に20%の関税を課すと提案したことが日本の完成車メーカーに波紋を広げている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、米大統領は「米国内で生産し、輸出すべきだ」と話したという。同時に、燃費基準について輸入車に米国車より厳しい規制を適用する可能性を示唆した。米国内での現地生産を広げることで、雇用を拡大する狙いがあるようだ。

 関税引き上げが現実すると影響が大きいのが、米国に工場を持たないマツダだ。同社は2018年3月期に日本から米国に23万2577台(前期比5・1%減)輸出した。スポーツ多目的車(SUV)「CX―5」のほか、セダン「アテンザ」などが主力。同社はトヨタ自動車と合弁で米アラバマ州に生産工場を建設し、21年に稼働を始める予定。仮に新工場稼働前に関税が引き上げられれば、販売台数の減少は避けられない。

 トヨタは17年に米国で243万5000台を販売。このうち米国・カナダ・メキシコで生産した車は171万1000台で、70・3%が北米地域で生産されている。米国内に生産工場を11拠点持つトヨタでも、30%は域外から輸出している。「(関税率20%は)影響を注視していく数字ではある」(トヨタ)とする。

 トランプ大統領はこれまでも貿易不均衡を主張し、自動車産業を問題視してきた。米国は現在、乗用車に2・5%の関税を課している。20%の引き上げは世界貿易機関(WTO)のルールに違反する可能性が高い。関税引き上げで車両価格が高くなり、米国民の不利益になるとの見方もある。

日刊工業新聞2018年5月15日

日刊工業新聞 記者

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05月15日
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20%の関税や燃費基準の引き上げは決定事項ではないが、適用となれば国内メーカーに大きな影響が出そうだ。
(日刊工業新聞社・尾内淳憲)

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