建機メーカー、10年ぶり活況。海外で稼ぐ

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コマツの超大型ダンプトラックと超大型ロープショベル
 世界各地で建設機械の需要が拡大し、建機4社の業績が伸長している。コマツと日立建機、住友重機械工業(建機部門)の2018年3月期売上高が過去最高となった。建機市場がリーマン・ショック前の07年以来、10年ぶりの活況を呈していて、各社はアジアや中国、北米で稼ぐ戦略だ。好調な業績を受けて、生産性の向上や増産に備えた設備投資の動きも広がっている。

 排ガス規制の強化による駆け込み需要の反動減が起きた日本を除き、ほぼすべての地域で需要が高まり、4社とも業績を伸ばした。特にインフラ工事が活発な中国市場が拡大しており、コマツと日立建機は現地の売上高を前期に比べて約7割増やした。

 資源開発が再び動きだしたことも、建機業界には追い風だ。鉱山機械の需要を喚起し、「なんと言ってもインドネシアが好調」(大橋徹二コマツ社長)という。

 19年3月期も建機市場は好調な見方が強く、日立建機の平野耕太郎社長は「需要が落ちることは想定できない」と説明する。北米ではインフラやエネルギー関連の需要が堅調で、トランプ政権の鉄鋼関税を懸念する米キャタピラーとは対照的に、各社は攻勢をかけやすい。

 一方、神戸製鋼所(建機部門)は油圧ショベルの販売台数が前期を上回る見込みだが、調達費用がかさんで減益を見込む。

 各社は業績拡大を背景に、生産性の向上や増産に必要な設備投資も進める。コマツは米国の鉱山機械子会社が工場再編などに100億円を投じる。

 日立建機は米国のホイールローダー事業の拡大に向けて、ジョージア州の工場の生産能力を増強するとともに、営業機能も統合する。

 神鋼子会社のコベルコ建機は、インドでの油圧ショベルの生産能力を現在の1・5倍の年間3000台に引き上げるために建屋を増築する。
               

日刊工業新聞2018年5月10日

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IoT(モノのインターネット)など効率性を高める新技術の活用などで、高水準の需要に追随した生産体制の確立が求められる。 (日刊工業新聞・孝志勇輔)

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