中核4事業とも能力増強へ。旭化成せんいの最新事情に迫る
特に「レオナ繊維」はエアバック向けに加えタイヤコードも回復。早くも次の増強が課題に
旭化成せんいは、コアである4事業が揃ってフル生産を続けており生産力強化を加速している。2015年3月期においても売上高1307億円、営業利益105億円と3期連続で増収増益を達成。とくに、営業利益は3年間で3倍以上になった。キュプラ繊維は昨年6月に増設が完工、今年後半から来年前半にかけて残りのレオナ繊維(ナイロン66)、スパンボンド、スパンデックスでも増設分の完工が予定されており、事業拡大に弾みが付きそうだ。
レオナ繊維(ナイロン66)は、生産能力を年産3000トン増の年産3万3000トンまで拡大を決定、2016年前半の稼働開始を目指している。キュプラ(ベンベルグ)繊維は40年振りに年産1500トンを増強、年産1万8500トンまで拡大して昨年6月から稼働した。
一方、不織布事業は旭化成スパンボンド(タイ)=AKSTが今年後半の稼働開始を目指して、ポリプロピレンスパンボンドを年産2万トンから年産4万トンまで増設中。また、AKSTに隣接してスパンデックス「ロイカ」を生産するタイ旭化成スパンデックス=TASも年産3000トン増の年産1万トンまで拡大、2016年前半の稼働開始を予定している。
とくに、レオナ繊維は、好調なエアバッグ基布向けに加え、苦戦していたタイヤコード向けが2014年以降に需要が改善してフル生産となり収益を押し上げている。今回の年産3000トンの増設は重合のデボトルネックと紡糸機の増設で対応するが、増設後の生産能力はタイヤコード向けが現状維持の年産1万5000トン、エアバッグ基布向けが年産1万8000トンと、エアバッグ基布向けが初めてタイヤコード向けを上廻る。
レオナ繊維はエアバッグ基布向け。キュプラ繊維は大手SPAなどの機能製品向け、インドなど民族衣装向けやベンベルグ長繊維不織布。不織布はオムツ向けや人工皮革。スパンデックスはオムツ資材向けやトリコット、丸編み向けなどが堅調に推移している。4事業ともに増設後もフル生産が続く見込みで、早期に次の生産能力増強が検討課題に挙がりそうだ。
(文=峯岸研一)
レオナ繊維(ナイロン66)は、生産能力を年産3000トン増の年産3万3000トンまで拡大を決定、2016年前半の稼働開始を目指している。キュプラ(ベンベルグ)繊維は40年振りに年産1500トンを増強、年産1万8500トンまで拡大して昨年6月から稼働した。
一方、不織布事業は旭化成スパンボンド(タイ)=AKSTが今年後半の稼働開始を目指して、ポリプロピレンスパンボンドを年産2万トンから年産4万トンまで増設中。また、AKSTに隣接してスパンデックス「ロイカ」を生産するタイ旭化成スパンデックス=TASも年産3000トン増の年産1万トンまで拡大、2016年前半の稼働開始を予定している。
とくに、レオナ繊維は、好調なエアバッグ基布向けに加え、苦戦していたタイヤコード向けが2014年以降に需要が改善してフル生産となり収益を押し上げている。今回の年産3000トンの増設は重合のデボトルネックと紡糸機の増設で対応するが、増設後の生産能力はタイヤコード向けが現状維持の年産1万5000トン、エアバッグ基布向けが年産1万8000トンと、エアバッグ基布向けが初めてタイヤコード向けを上廻る。
レオナ繊維はエアバッグ基布向け。キュプラ繊維は大手SPAなどの機能製品向け、インドなど民族衣装向けやベンベルグ長繊維不織布。不織布はオムツ向けや人工皮革。スパンデックスはオムツ資材向けやトリコット、丸編み向けなどが堅調に推移している。4事業ともに増設後もフル生産が続く見込みで、早期に次の生産能力増強が検討課題に挙がりそうだ。
(文=峯岸研一)
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