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「世界高速鉄道会議」日本で初開催!輸出を狙う事業者は鼻息荒く

鉄道関係者1000人以上が東京に集結、水面下でのつばぜり合いも?
 世界の鉄道事業者が加盟する国際鉄道連合(UIC)は7日、東京・丸の内で「第9回UIC世界高速鉄道会議」を開き、安倍晋三首相が「日本の新幹線の技術を広く海外に展開し、世界に貢献したい」と、高速鉄道の海外輸出に意欲を示した。ロシア、イタリア、フランス、韓国など、世界の鉄道関係者が一堂に会す同会議は、UICが3―4年に一度開催しており、JR東日本が今回初めて主催した。

 同会議には世界各国の政府関係者、メーカー、鉄道事業者など約1000人が参加した。JR東日本の冨田哲郎社長は「鉄道は経験工学で、知識や経験がベースになる。国や地域を越えてこれらを共有し、課題や展望にふれ、鉄道を作る土台にしたい」と、会議の意義を述べた。

 高速鉄道の歴史は、1964年に運行開始した東海道新幹線から始まる。会議では50年間の高速鉄道の歴史を振り返るとともに、車両や地上設備などの技術や、安全性について、議論も行う。会期は10日まで。

 高速鉄道は新興国を中心に世界中でプロジェクトが立ち上がっている。UIC副会長でイタリア鉄道社長のミケール・マリオ・エリア氏は、モスクワとサンクトペテルブルクなどを結ぶロシアの高速鉄道プロジェクトについて、「非常に関心がある。イタリアの経験や技術が十分生かせる」と述べるなど、参画に意欲をみせた。

 同会場で開催する展示会には、パナソニック日立製作所、独クノールブレムゼなど国内外のメーカー約40社が出展。車両や地上設備、運行システムなど最新の鉄道技術をアピールした。開催初日の会場は鉄道事業者で終日にぎわった。

 

日刊工業新聞2015年07月08日 3面に加筆
高屋優理
高屋優理 Takaya Yuri 編集局第二産業部 記者
世界高速鉄道会議は会議という位置づけなので、商談会ではありませんが、各国の関係者が一堂に会すとあって、輸出を狙う鉄道事業者の鼻息は荒く、水面下でのつばぜり合いもありそうです。

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