HISグループは“愛想の良い”接客ロボットで溢れる?

QBITロボティクス・中野浩也社長インタビュー

 ロボット技術で世の中を楽しく―。サービス業など、従来ロボットが導入できなかった分野のロボットシステム構築を手がけるQBITロボティクス(東京都品川区)が4月に始動した。中野浩也社長はエイチ・アイ・エス(HIS)グループの「変なホテル」や「変なカフェ」といったロボットの接客システムを立ち上げてきた実績を持つ。新会社で何を目指すのか中野社長に聞いた。

 ―QBITを立ち上げた経緯は。
 「私はHISグループでロボットシステム開発などを担う『hapi―robo st(ハピロボエスティ)』でロボットシステム導入プロジェクトに携わってきた。その中で導入の現場に深く携わり、より多くの現場にロボットを導入したいと考えるようになってQBITを設立することにした。HISの澤田秀雄会長兼社長からは個人的な支援を受けている。ハピロボはロボット導入コンサルティングが中心、QBITは現場への導入が主という役割の違いだと考えている」

 ―なぜ今の時期に立ち上げるのでしょう。
 「ここ1、2年でロボットを導入したいユーザー側の姿勢が変化してきた。具体的に何を目指してロボットを導入するのかや、ロボットができること、できないことを把握して本気でロボットを採用したいという企業が増えた。一方で協働ロボットが増えてサービス系の現場でも利用しやすくなった。これまで我々が培ったノウハウを生かせるようになったことが理由だ」

 ―何を目指していくのですか。
 「将来は“愛想の良い”システムを提供できるようにしたい。来客と会話を弾ませ、お得意様には特別な話題を提供できるような会話システムを開発して機能に盛り込みたい。システムはロボットにこだわらず、商品棚や店内のセンサー、スマートフォン、AR(拡張現実)技術など目指すサービスに適したものなら何でも良い。2020年までにそうした先進的なサービスシステムの姿の一端を見せたい」

 ―当面の成長はどんな事業が支えますか。
 「サービス系にこだわらず幅広い業種のロボット導入を支援したい。QBITには経験を積んだ人材が集まっており、それが差別化につながる。例えば、多軸ロボットのアームはつかむ対象物を、ロボットを中心とした円の中に配置するといった細かい原則がある。我々は経験でそれらを学んでいる。サービス業などこれまでロボットがいなかった現場に導入するにはそうした知見が生きる」
QBITロボティクスの中野浩也社長

日刊工業新聞2018年4月13日

石橋 弘彰

石橋 弘彰
04月14日
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中野社長はロボットの導入を成功させる要素として「ユーザーの理解」が大きいと話す。テレビや炊飯器のような家電と違い、ロボットはスイッチを入れればすぐ利用できるものではない。むしろパソコンのように自分で使いこなすものだという。ロボット社会の実現には人間もロボットを学ぶことが求められるようだ。

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