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MUFGが新たに置く「特別顧問」って何をする?

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ証券ホールディングスの相談役・特別顧問制度を見直し、7月1日に新たな特別顧問制度を施行する。

 MUFGの指名・ガバナンス委員会での審議を経て実施する。新制度における特別顧問の任期は、原則として最長6年。グループにとって重要な対外活動を行う場合、特別顧問には職務に見合った報酬として年2000万円を上限に支給する。特別顧問・名誉顧問は経営の意思決定には関与せず、経営陣による定例報告なども実施しない方針だ。

 東京証券取引所が「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」記載要領の一部を改訂したことに伴う措置。
日刊工業新聞2018年4月6日
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
 新しい制度にしたと言っても、任期は長く、部屋も報酬も付く特別待遇に変わりない。報告も相談も受けないなら、対外的な役割を十全にに果たすことも出来ず、何のためにいるのか分からない。多くは内輪の論理、つまりサラリーマンの出世の延長でトップになったわけで、株主利益に対する意識はもともと低いのだが、こうやって現役役員が先輩役員を立てるのは内輪の論理の更なる延長線でしかない。  仮にこうした役職を置くのなら、それがどのように株主利益にかなうのかを明示すべきだ。また、取締役は、退任後には大企業の肩書きがなくても活躍できるような有能な人材を選任するのが筋だろう。

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