「MUFGコイン」でハッカソン、決済手段の先を競い合え!

大賞は「ブロックチェーンに応援の気持ちを乗せる」

 三菱東京UFJ銀行が開発中のデジタル通貨「MUFGコイン」をテーマにハッカソンと呼ばれるソフトウエアの開発イベントを都内で開いた。応募した約50チームから審査を通った9チームがプレゼンテーションとデモを実施。ブロックチェーンを使ったMUFGコインを、単なる決済手段にとどまらせず人の行動を変える手段にしようというアイデアが競い合った。

 「なるほどな、と思わされた。行内でも議論しているが思ったよりも(利用シーンが)広がりそうだ」。亀沢宏規取締役常務執行役員は4日のイベント終了後こう語った。

 MUFGコインは現金取り扱いのコスト削減や利便性の高い決済体験、データを利用した新ビジネスの展開を目指し、同行が独自に開発しているデジタル通貨。行内でもアイデア出しをしているが、今回初開催となるハッカソンで「お金と人とものの流れをうまくつなげるようなアイデアを外部からもらいたい」と相原寛史デジタル企画部長は話す。

 「ブロックチェーンに応援の気持ちを乗せる」。大賞を受賞したチーム「$NYAON」はマイナースポーツ競技の報奨金の安さに目をつけた。「平昌(ピョンチャン)五輪で応援が盛り上がったが日本のカーリングチームがメダルを取っても報奨金が安いという声がインターネットでも多い」(同チーム担当者)という。

 アイデアはこうだ。例えばカーリングチームを応援したいという人がお金をMUFGコインに替えてブロックチェーン上の特定の場所に送る。

 集まったコインを誰がもらえるか、またどういう条件ならもらえるかについて、参加者間で合意形成する。例えば金メダル獲得を条件にして、実際に金メダルを獲得すれば契約を自動的に実行するスマートコントラクトという仕組みを使って合意形成した対象者にコインを送る。「ブロックチェーンの合意形成を使えば不正は除外される」(同)。「スマートコントラクトの使い方がうまくブロックチェーンを理解している」(同行担当者)ことが評価され大賞に選ばれた。

 このほか、通勤ラッシュ時に電車に乗らないようMUFGコインでインセンティブを与えて満員電車を緩和しようというアイデアや、いなくなった愛犬を見つけるのに有益情報を提供してくれた人に謝礼としてMUFGコインを支払うアイデアも披露された。亀沢氏は「(コンテストという)便宜上順位をつけたが一つひとつ事業化を検討していきたい」としている。
                  

(文=池田勝敏)

日刊工業新聞2018年3月13日

池田 勝敏

池田 勝敏
03月18日
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MUFGコインは決済手段として使えるよう「1MUFGコイン=1円」とする方針だ。だが単なる決済手段であれば既に普及している電子マネーと変わらない。MUFGコインの可能性を引き出すには外部との連携がカギになりそうだ。

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