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多忙・高齢・災害時…どんなときでも歯が命!ライオン、サンスターなど対応加速

 日用品メーカーが多忙で時間がない人、高齢者、災害発生時などさまざまなシーンに対応した商品開発、情報発信に力を入れている。歯磨きにじっくりと時間をかけてられない状況でも、口腔内を清潔にする方法などを提案して、健康維持と商品のPRに役立てる。

 ライオンはブラシ部分であるヘッドの幅を広くし、極細毛の段差で効率よく歯垢を落とせる歯ブラシ「ビトイーン贅沢ケア=写真」を15日に発売する。消費税込み価格は302円とやや高めだが、機能性で訴求する。一般的な歯ブラシの3・5倍となる3500本の毛を使った。主なターゲットはゆっくりと歯を磨く時間がない人が多い20―30代だ。太めで握りやすい持ち手にし、高齢者の需要も見込む。「毛を開きづらくしたり、持ち手部分の耐久性を高めたりと、歯ブラシの機能性は高まっている」(ライオン)。小林製薬や花王も3月に、ヘッドを幅広にしたり毛束を増やしたりして歯茎もマッサージできる歯ブラシを発売した。

 サンスター(大阪府高槻市)は災害時向けウェブサイト「防災にオーラルケア」の外国語ページにスペイン語などを追加し、10言語対応にした。地震などの災害が多い海外の地域に住む人や、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年に向けて訪日外国人らに訴求する。

 阪神淡路大震災や東日本大震災の後、避難生活中に繁殖した細菌が気管に入ったことが原因で、肺炎になった人が多かった。同社では「オーラルケア用品を防災用品に加えてほしい」としており、ウェブサイトでは「ガムをかむなどして唾液を出す」「液体ハミガキが効果的」といった情報も伝えている。
(江上佑美子)
日刊工業新聞2015年07月03日 建設・エネルギー・生活面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
オーラルケアができないことによる肺炎は初めて知りました。防災バッグにオーラルケア用品を入れていく必要がありますね。

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