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広島県民の500人中、「牡蠣」を正しく書けた人はわずか3人

観光課が『広島牡蠣とり帳』というユニークな子ども向け教材
 この時期においしいカキ。生で良し、焼いて良し、蒸して良し、土手鍋や炊き込みご飯もうまい。食の細った高齢の母も「おいしいねぇ」と言いながら、カキフライを5、6個は平らげてしまう。

 産地である広島県観光課が『広島牡蠣とり帳』というユニークな子ども向け教材を制作した。「牡蠣」という漢字を“書き取り”ながら、カキに関する50件の豆知識が学べる。読み進むにつれて、自然と漢字も練習できる仕掛けだ。

 広島県の観光客数は年間6000万人を超えて過去最高を更新中。特に外国人観光客の伸びが著しい。ただし夜の見どころが少ないのが悩みで、県として食をテコに魅力を発信したい。そこでまずは県民に知識と愛着を深めてほしいということらしい。

 450年前の室町時代には現在の広島湾で養殖が始まっていたとか、全国の7割弱を広島県で生産しているとか。この教材を読むと知らなかった事実に気付く。

 10―50代の県民508人を対象とした事前調査によると、牡蠣を正しく書けた人はわずか3人だったという。子どもたちがこの教材で練習すれば、嫌でも漢字を覚えてしまうに違いない。「Rが付く月」がカキのシーズン。4月まで何度も味わいたいものだ。
日刊工業新聞2018年2月26日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
石川県民としてブリを「鰤」と書ける人はもっといないだろう。自身も含めて。

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