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いい仕事は「よい眠りから」

富士ゼロックス、社員の睡眠情報・研修に生かす
いい仕事は「よい眠りから」

新入社員100人超の睡眠状態を把握し研修に生かす

 富士ゼロックスは従業員の健康増進を推進するため、新入社員研修に睡眠衛生教育を本格的に取り入れた。新入社員に対し不眠症などの疑いを調べる睡眠評価調査を実施し、産業医による講習や情報提供を行う。睡眠は健康に大きく関わり、うつ病と不眠の関連性も指摘されている。睡眠不足は交通・労働災害の原因にもなる。今後も教育を充実するほか、社員の睡眠に関する情報をデータベース(DB)化しメンタル疾患対策などに役立てていく。

 富士ゼロックスは4月に新入社員の入社と同時に睡眠評価調査を行う。世界保健機関(WHO)が中心となって作成した不眠症判定法「アテネ睡眠評価尺度」などを活用し、入社前までの睡眠状態を測定する。
 
 その後、睡眠認定医の資格も持つ同社の産業医から講習などを受ける。
 睡眠不足や認知機能の低下が健康や勤務に与える影響について情報を提供し、睡眠や生活習慣の改善を促す。3カ月間の新入社員研修が終わる6月に睡眠の状況を再調査し、改善の度合いなどを調べる。
 
 日本人の死因10項目のうち、心臓病、脳卒中、肺炎、自殺など6項目は睡眠不足と関連があるといわれている。若いころの不眠は、うつ病累積発症率を2倍に高めるとのデータもあり、同社は新卒社員の睡眠習慣を経年調査していく。
 
 同社人事部健康推進センターの相良雄一郎産業医は「学生から社会人に変わる時期は生活習慣を変えるチャンスであり、新人の睡眠衛生教育は疾患対策として有効だ」としている。
2015年7月2日日刊工業新聞ヘルスケア面
神崎明子
神崎明子 Kanzaki Akiko 東京支社 編集委員
 従業員のメンタルヘルス対策へ企業は「ここまでやるのか」が正直な実感。ただ、健康に大きく関わる睡眠に関する意識を高める意義は大きいのではないか。多少の無理がきいてしまう若い世代に向けてはなおさらだ。

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