宅配便の再配達削減へ、国交省検討

どこでも受け取りのオムニ化を後押しするか

 国交省が検討を始めた宅配便の再配達の削減対策で、小売業のオムニチャンネル化のインフラ整備が進む可能性が浮上してきた。ネット通販などで購入した商品の再配達比率は宅配大手で全体の約2割に上るという。このため国交省が主導して身近なコンビニエンスストアなど小売業や駅などでも商品を受け取れるように整備する方向で検討を開始した。企業の垣根なく、いつでもどこでも商品が受け取れるように整備されればオムニ化が一段と進行する公算が大だ。

 国交省は6月初旬、第1回の「宅配の再配達の削減に向けた受け取り方法の多様化促進等に関する検討会」を開いた。検討会にはヤマト運輸など宅配大手、アマゾンジャパン、楽天など通販大手、さらにコンビニ大手のセブン―イレブン・ジャパンなどが参加した。

 企業の垣根なく、ネット通販などの再配達商品の受け取り拠点としてコンビニなど小売業が機能すれば、社会的な損失の拡大が防げるという考え方だ。しかも配送車両の削減で二酸化炭素(CO2)も削減できるとみるが、「何よりも消費者の利便性が高まる」(大手コンビニ)。

 コンビニでは現在、オムニの拠点化としての整備が始まっている。ローソンはアマゾンと組み、アマゾンで購入した商品をローソンで受け取れるようにしているほか、佐川急便とも組んで再配達の商品なども受け取れるようにする。

 これに対し最大手のセブン―イレブン・ジャパンはそごう・西武やイトーヨーカドーなどグループ企業のネット購入商品の受け取りをできるように店舗を整備している。ヤマトの再配達の荷物に限っては受け取り可能だが、まだ初回配達分についてはグループ外に門戸を開いていない。しかし今回の国交省の検討会に同社が名を連ねていることで再配達だけでなく、グループ外企業のネット購入商品についても店舗での受け取りに開放する可能性も出ている。

 今後の検討会の協議がどう進展するかはまだ不透明。だが、コンビニだけでなく駅構内のロッカーや食品スーパー、専門店などがこの枠組みに乗れば一段といつでもどこでも商品を受け取れるというオムニ化のインフラ整備が加速する可能性もある。

 ただ再配達の受け取りでは温度帯別の商品の扱いや、手数料の負担割合をどうするかなど乗り越えなければならないハードルは少なくない。

 宅配大手の再配達をめぐっては、大手3社の一部営業所のサンプル調査で初回の配達で完了するのは全体の80・4%(14年12月時点)となっており、ネット通販市場の拡大で約2割が再配達。ドライバー不足を背景に物流コストの押し上げ要因にもなっている。国交省では17日に第2回、8月に第3回会合を開く予定。

日刊工業新聞2015年07月02日 建設・エネルギー・生活面

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
07月02日
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再配達2割という数字は大きいですね。確かに社会的損失です。しかし、企業側の論理だけでなく再配達の荷物を身近なコンビニやスーパー、通勤途中の駅などで受け取れるようになれば消費者にとっても利便性は向上します。

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山本 圭太
山本 圭太
07月02日
何時頃届けたらいいかとかは、届け先のお客のGPSデータがもし取れれば、普段の曜日や時間帯別位置データとかで、最適時間や最適経路を判定できる。

インターネット上のパケットのように最適化することでみんなの生産性が高まりそう。個人情報とトレードオフだけど。認証機構をしっかりやればありかと。
  

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