<矢島里佳の新聞clip7.2号>「ロボット保険」で実用化はますます進む?
人間と関係性を持ち始める時代、 どんなことが起こりうるかまだ未知数
連載中の「和える」の矢島里佳代表の新聞clip
1週間の日刊工業新聞の記事の中から3本、気になった記事をセレクト。新聞ならではのセレンディピティー(何かを発見する能力、偶然をきっかけにしたひらめき)の楽しさを伝えて頂きます。
みなさん、こんにちは。矢島里佳です。
ウェブニュースは1つずつ興味のあるニュースを読める閲覧性の高さは魅力的です。
けれども、偶然に出会う記事たちが、自分の興味や人生に強く影響をあたえる面白さは、紙新聞ならでは。デジタルの時代だからこそ、アナログの面白さにも気がつく。双方の魅力を和えながらニュースと向き合っていければと思います。
今週、選んだのはこの3本です。
●介護やドローンなどロボット保険続々(損保各社が専用商品=6月30日付)
●免税申請書類作成支援システムが人気(外国人旅行者増え=6月30日付)
●アマゾンがリフォーム参入(工事費込みで定額=7月1日付)>
ついに保険会社が動き出しましたね。今まで以上に人間とロボットが関係性を持ち始める時代。どんなことが起こりうるかまだ未知数。その中でどのような保険が必要となってくるのでしょうか。こうなってくると、ますますロボットの実用化が進む予感。
ロボット産業の振興に向け、官民挙げて開発が進む中で、損害保険各社は介護や飛行ロボットなどに対応した保険商品の開発に乗り出した。ロボットは工場から住宅や建設現場などへ活躍の場を広げ、人間と接触する機会も増えている。こうした中、ロボットが引き起こす事故や賠償リスクへの対応は今後の課題となる。本格的なロボット時代到来に備え、損保各社も研究開発に力を入れる。
【事故・賠償リスク】
三井住友海上火災保険は介護ロボに対応するために、医療機関向けに介護ロボ専用の保険商品を発売した。近年、医療現場では介護ロボットを導入する事例が増え、それに伴う事故などのリスクも高まってきた。専用商品によって現場の介護ロボットに伴う故障などのリスクに備える狙いだ。
東京海上日動火災保険は飛行ロボット「ドローン」に対応する保険を発売。ドローンの損害賠償リスクや機体の捜索費用まで包括的に補償するのが特徴。規制の設定など議論を巻き起こしているドローンだが、実際に300件の問い合わせがあるという。
【サービス分野に】
ロボット産業は政府の成長戦略に位置づけられ、官民挙げて開発が進む。経済産業省などの調査によると、ロボットが製造現場だけでなく、今後はサービス分野に普及することを見込み、市場規模は2015年の約1兆6000億円から35年までに約9兆7000億円に増える見通し。この動きに伴い、損保業界も関連保険の引き受けが増えると見られている。
損保各社は経産省がまとめるロボットビジネス推進協議会にも参画。業界側の幹事会社を務める三井住友海上の北河博康公務開発部開発室課長は「損保会社は消費者とメーカーに接点がある業界。両社をつなぐ役割ができる」と強調する。
ただ、足元でみるとロボット専用保険商品は少ない。既存保険商品で対応できるからだ。例えばメーカー側の賠償リスクなら製造物責任保険を、ユーザー自身のリスクなら個人賠償責任保険、介護施設などで構造上の欠陥がある場合は施設所有者賠償責任保険がある。
【参入企業も多岐に】
また、ロボットと一言でいっても二足歩行のようなロボットから歩行などをアシストするロボットまで多種多様。参入企業も多岐にわたり、リスクも企業規模で異なる。市場自体が未成熟な中では、現在の保険商品ですら、慎重に対応しているのが現状だ。
とはいえ、中長期で市場がある程度成長し、企業数も含め整理統合されれば、保険の引き受けリスクも一定程度収束してくる。既存保険商品では対応できないリスクも増えてくる可能性が高い。
損保ジャパン日本興亜は特有のリスクに対応した新商品の開発を検討に入った。ロボット産業の来に備え、各社の研究開発が活発化しそうだ。
1週間の日刊工業新聞の記事の中から3本、気になった記事をセレクト。新聞ならではのセレンディピティー(何かを発見する能力、偶然をきっかけにしたひらめき)の楽しさを伝えて頂きます。
みなさん、こんにちは。矢島里佳です。
ウェブニュースは1つずつ興味のあるニュースを読める閲覧性の高さは魅力的です。
けれども、偶然に出会う記事たちが、自分の興味や人生に強く影響をあたえる面白さは、紙新聞ならでは。デジタルの時代だからこそ、アナログの面白さにも気がつく。双方の魅力を和えながらニュースと向き合っていければと思います。
今週、選んだのはこの3本です。
●免税申請書類作成支援システムが人気(外国人旅行者増え=6月30日付)
●アマゾンがリフォーム参入(工事費込みで定額=7月1日付)>
ついに保険会社が動き出しましたね。今まで以上に人間とロボットが関係性を持ち始める時代。どんなことが起こりうるかまだ未知数。その中でどのような保険が必要となってくるのでしょうか。こうなってくると、ますますロボットの実用化が進む予感。
いよいよロボットが保険の対象になる時代がやって来た!
ロボット産業の振興に向け、官民挙げて開発が進む中で、損害保険各社は介護や飛行ロボットなどに対応した保険商品の開発に乗り出した。ロボットは工場から住宅や建設現場などへ活躍の場を広げ、人間と接触する機会も増えている。こうした中、ロボットが引き起こす事故や賠償リスクへの対応は今後の課題となる。本格的なロボット時代到来に備え、損保各社も研究開発に力を入れる。
【事故・賠償リスク】
三井住友海上火災保険は介護ロボに対応するために、医療機関向けに介護ロボ専用の保険商品を発売した。近年、医療現場では介護ロボットを導入する事例が増え、それに伴う事故などのリスクも高まってきた。専用商品によって現場の介護ロボットに伴う故障などのリスクに備える狙いだ。
東京海上日動火災保険は飛行ロボット「ドローン」に対応する保険を発売。ドローンの損害賠償リスクや機体の捜索費用まで包括的に補償するのが特徴。規制の設定など議論を巻き起こしているドローンだが、実際に300件の問い合わせがあるという。
【サービス分野に】
ロボット産業は政府の成長戦略に位置づけられ、官民挙げて開発が進む。経済産業省などの調査によると、ロボットが製造現場だけでなく、今後はサービス分野に普及することを見込み、市場規模は2015年の約1兆6000億円から35年までに約9兆7000億円に増える見通し。この動きに伴い、損保業界も関連保険の引き受けが増えると見られている。
損保各社は経産省がまとめるロボットビジネス推進協議会にも参画。業界側の幹事会社を務める三井住友海上の北河博康公務開発部開発室課長は「損保会社は消費者とメーカーに接点がある業界。両社をつなぐ役割ができる」と強調する。
ただ、足元でみるとロボット専用保険商品は少ない。既存保険商品で対応できるからだ。例えばメーカー側の賠償リスクなら製造物責任保険を、ユーザー自身のリスクなら個人賠償責任保険、介護施設などで構造上の欠陥がある場合は施設所有者賠償責任保険がある。
【参入企業も多岐に】
また、ロボットと一言でいっても二足歩行のようなロボットから歩行などをアシストするロボットまで多種多様。参入企業も多岐にわたり、リスクも企業規模で異なる。市場自体が未成熟な中では、現在の保険商品ですら、慎重に対応しているのが現状だ。
とはいえ、中長期で市場がある程度成長し、企業数も含め整理統合されれば、保険の引き受けリスクも一定程度収束してくる。既存保険商品では対応できないリスクも増えてくる可能性が高い。
損保ジャパン日本興亜は特有のリスクに対応した新商品の開発を検討に入った。ロボット産業の来に備え、各社の研究開発が活発化しそうだ。