iPhone失速も関係なし。電子部品メーカーの業績はなぜ好調?
「スマホ偏重」から脱却、村田はやや低調
電子部品5社の2017年4―12月期連結決算が出そろい、3社が増収、営業増益となった。米アップルがスマートフォン「iPhone(アイフォーン)X(テン)」を18年1―3月期に減産する動きを見せているが、17年12月までの各社の受注は好調に推移した格好だ。一方でスマホへの偏重から脱却するため、各社とも車載などスマホ以外の強化を鮮明にしている。
京セラはスマホ向けだけでなく、半導体業界全体の好調さの恩恵を受ける。半導体製造装置向けセラミックス部品が好調に推移し「19年3月期は(同部品の生産量が前期比)50%増を超える」(谷本秀夫社長)とみる。
19年3月期は、苦戦する太陽光事業の再編策として、太陽電池セルの生産を滋賀野洲工場(滋賀県野洲市)に集約する。それによって空いた滋賀八日市工場(同東近江市)のスペースについては有効に活用し、今後も産業機器や車載向けの旺盛な需要に期待する。
アイフォーンテンの減産については、すでに電子部品各社に漏れ伝わっていた。特に、影響度合いが大きいTDKや村田製作所、アルプス電気は早い段階で察知していたとみられる。このため、すでに減産の影響を経営計画に織り込んでおり、これを要因とした業績予想の下方修正は見られなかった。
TDKはスマホ向けを中心にリチウムイオン二次電池の売上高と営業利益が四半期ベースで過去最高を更新。18年1―3月期は、アップルが電池の交換費用を値下げしたことによる受注増の需要も取り込む見通しだ。ただリチウムなど原材料の高騰もあり「17年10―12月期ほどの大幅な伸長は見込めない」(山西哲司取締役常務執行役員)という。
村田製作所はスマホ向け樹脂多層基板「メトロサーク」の生産遅れの影響が続き、利益面で苦戦した。同基板の歩留まりは改善したが、まだ収益性の悪さが残る。
またソニーから取得した電池事業も赤字が続く。一方で「コンデンサーが車載向けで非常に強い要求が来ている」(藤田能孝副会長)としており、19年3月期以降は全体として増益に転じるとみている。
アルプス電気はスマホ向けカメラ用アクチュエーターやゲーム機向け触覚デバイス製品が伸びた。ただ気賀洋一郎取締役は「(スマホ市場は)落ち込んでいるわけではないが、北米や韓国、中国など主要メーカーの旗艦モデルに停滞感が出ている」と懸念を示した。
安定した成長を続けるのが日本電産。電気自動車(EV)向けトラクションモーターやロボット向け減速機の需要拡大を見込み、19年3月期以降は過去最大規模の設備投資を実施する。
重点市場として車載、ロボット、省エネ家電、飛行ロボット(ドローン)を掲げ「四つの大波を待ち受け、徹底的な勝負に出る」(永守重信会長兼社長)考えだ。
京セラはスマホ向けだけでなく、半導体業界全体の好調さの恩恵を受ける。半導体製造装置向けセラミックス部品が好調に推移し「19年3月期は(同部品の生産量が前期比)50%増を超える」(谷本秀夫社長)とみる。
19年3月期は、苦戦する太陽光事業の再編策として、太陽電池セルの生産を滋賀野洲工場(滋賀県野洲市)に集約する。それによって空いた滋賀八日市工場(同東近江市)のスペースについては有効に活用し、今後も産業機器や車載向けの旺盛な需要に期待する。
アイフォーンテンの減産については、すでに電子部品各社に漏れ伝わっていた。特に、影響度合いが大きいTDKや村田製作所、アルプス電気は早い段階で察知していたとみられる。このため、すでに減産の影響を経営計画に織り込んでおり、これを要因とした業績予想の下方修正は見られなかった。
TDKはスマホ向けを中心にリチウムイオン二次電池の売上高と営業利益が四半期ベースで過去最高を更新。18年1―3月期は、アップルが電池の交換費用を値下げしたことによる受注増の需要も取り込む見通しだ。ただリチウムなど原材料の高騰もあり「17年10―12月期ほどの大幅な伸長は見込めない」(山西哲司取締役常務執行役員)という。
村田製作所はスマホ向け樹脂多層基板「メトロサーク」の生産遅れの影響が続き、利益面で苦戦した。同基板の歩留まりは改善したが、まだ収益性の悪さが残る。
またソニーから取得した電池事業も赤字が続く。一方で「コンデンサーが車載向けで非常に強い要求が来ている」(藤田能孝副会長)としており、19年3月期以降は全体として増益に転じるとみている。
アルプス電気はスマホ向けカメラ用アクチュエーターやゲーム機向け触覚デバイス製品が伸びた。ただ気賀洋一郎取締役は「(スマホ市場は)落ち込んでいるわけではないが、北米や韓国、中国など主要メーカーの旗艦モデルに停滞感が出ている」と懸念を示した。
安定した成長を続けるのが日本電産。電気自動車(EV)向けトラクションモーターやロボット向け減速機の需要拡大を見込み、19年3月期以降は過去最大規模の設備投資を実施する。
重点市場として車載、ロボット、省エネ家電、飛行ロボット(ドローン)を掲げ「四つの大波を待ち受け、徹底的な勝負に出る」(永守重信会長兼社長)考えだ。
日刊工業新聞2018年2月2日