【連載】基礎からわかる!MRJ(1)いよいよ初飛行へ!日の丸ジェットの全貌

なぜ今MRJは開発されているのだろうか??

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正面からみたMRJ(2014年10月18日、日刊工業新聞社撮影)
 初飛行まで、あと2か月を切る――。
 三菱重工業傘下の三菱航空機(愛知県豊山町)が開発する国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の初飛行が目前に迫ってきた。三菱航空機は試験機の初飛行を2015年4~6月中に計画しており、関係者によれば、5月末から6月上旬の間に初飛行する可能性が高い。なんだか「初飛行」と聞くとワクワクするが、そもそもMRJってどんな飛行機だろう。ニュースイッチでは、5回に分けてMRJの「いま」を分析する。題して「基礎からわかる!MRJ」!

◆MRJには3タイプ◆

 三菱航空機はいま、標準的な座席数が92席の「MRJ90」と78席の「MRJ70」の2機種を開発している。今後は100席前後の「MRJ100」(仮称)も開発する構想がある。いずれの機種も客室内の真ん中に通路が1本あり、通路を挟んで左右2列ずつという配席。主に地方都市間の運航に使われる。
 米国のボーイングや欧州のエアバスが作っている航空機は、小さなものでも130席程度。大きな機体は500席以上にもなる。一方のMRJは100席以下と小さく、自動車に例えるならば、軽自動車といったところだ。ライバルは、カナダの「ボンバルディア」や、ブラジルの「エンブラエル」というメーカーになる。

◆航続距離は3300km◆

 航続距離は約1530キロ―約3380キロメートルとある。米国では、中西部のデンバーを基点にカナダやメキシコをカバー。欧州ではパリを基点に北アフリカ諸国やロシア・モスクワにも飛ぶことができる。
一方、日本では、東京を基点に国内のほぼ全域に飛ばせるほか、上海や北京、グアムといった路線も、能力的にはカバーできる。つまり、航続距離だけでいえば国際線への投入も十分可能だ。
しかしMRJは「リージョナル(地域)ジェット」と呼ばれるタイプの飛行機で、座席数も少ない。航空会社としては、原則として国内のマイナー路線に就航させるつもりのようだ。MRJを最初に発注した全日本空輸(ANA)と、2014年8月に発注した日本航空(JAL)の大手2社は「国内の地域路線に飛ばす」ことを明確に打ち出している。具体的な路線は未定だが、運航時間にして1時間―2時間程度の路線に飛ばすことになる見通しだ。

◆現在の状況◆

 三菱航空機は現在、飛行試験に使う5機のMRJを、親会社の三菱重工業・小牧南工場(愛知県豊山町)で製造している。このうち、初飛行に用いる「初号機」に関しては機体が完成し、エンジン系統や操縦系統の機能を確かめる試験を行っている。
 三菱航空機幹部を含め、関係者の話を総合すると、5月下旬から6月上旬に初飛行する計画。6月中旬にフランスで開かれる世界最大の航空見本市「パリ航空ショー」までには飛ばし、関係者にアピールしたい考えだ。
 ちなみに、MRJを操縦する社内パイロットは現在5~6人という。三菱航空機では今後、2017年4~6月中に予定する初号機の納入(納入先はANA)に向け、パイロットを10人規模に倍増させる方針だ。

 それにしても、なぜ今MRJは開発されているのだろうか?? (次回は4月13日に掲載予定)

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ニュースイッチ開設に合わせ、MRJ特別連載です。教科書的な内容も含まれるかと思いますが、情報整理にぜひ。(こんな内容を知りたい、などありましたらコメント下さい)

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