慶大が量子コンピューターの拠点新設へ、「IBM Q」に直接アクセス

民間企業4社と共同研究の委託契約

 慶応義塾大学は4月に横浜市港北区の理工学部内に、「量子コンピューティングセンター」を新設する。米ニューヨーク郊外にある米IBMの世界最高速の汎用量子コンピューター「IBM Q」に直接アクセスできる国内唯一の施設として、JSRや日立金属などとオープンイノベーションを推進する。量子コンピューターの活用で世界に先駆ける。

 慶大は米IBMが推進する量子コンピューティング研究のハブ構想の中核メンバー。同センターの稼働にあわせて、同じくハブ構想に参加するJSR、日立金属、本田技術研究所、長瀬産業の4社とそれぞれ共同研究に関する委託契約を結ぶ。「企業が持ち寄る現実的な課題を皆で解く。こうした試みは国内初」(伊藤公平慶大理工学部長)としている。

 センターにはこれら常駐する企業メンバー用の施設や各社が共有するオープンスペースを用意する。慶大に所属する量子研究の第一線の研究者に加え、応用数学者やコンピューターサイエンスをはじめ多様な分野から専門人材を結集し、産業界と連携する。

 慶大は半導体回路を使った量子コンピューターの作成で20年間にわたる蓄積を持つが、これまで理論上の研究が中心だった。今後は世界最速の量子ビット20個で構成するIBM Qを軸に、量子コンピューターのアプリケーション(応用ソフト)の研究にかじを切る。新センターでは量子コンピューティングの研修制度も導入し、人材育成にも力を注ぐ。
             

日刊工業新聞2018年1月17日

明 豊

明 豊
01月18日
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量子コンピューターの開発競争では超電導技術をベースとしたゲート方式が本流。一方で量子現象を活用したアニーリング方式の商用化も始まっている。IBMが目指すのは本流の汎用量子コンピューター。IBMの構想には米オークリッジ国立研究所、英オックスフォード大学、豪州のメルボルン大学やさまざまな企業が中核メンバーとして名を連ねている。

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