ロウ模型でGEの航空機エンジン部品を新規開拓した鋳造屋さん

日本プレシジョンキャスチング、4月以降の量産開始を目指す

 ロストワックス鋳造は、複雑形状の薄肉部品を高精度に成形できるため、航空機部品の製造に多用される。同製法が専門の日本プレシジョンキャスチング(千葉県長南町、馬場誠一郎社長、0475・46・2211)は、航空・宇宙・防衛関連の取引先が約8割を占める。最近は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)から航空機向けエンジン部品を受注するなど、新規開拓にも積極的だ。

 ロストワックス鋳造では、ロウで部品の模型を作り、耐火物で被覆後、ロウを溶かして鋳型を得る。ここに、溶融金属を流し込んで鋳造する。手作業が必要な工程も多く、同製法専業メーカーとして蓄積した技術力が同社の強み。これまでに、米ボーイングにコックピット関連部品、三菱重工業にノーズギア関連部品などを供給してきた実績がある。

 「最近は、機械加工や塗装など周辺工程を組み合わせて受注している」と千田敏彦取締役は受注方針を説明する。同社は航空宇宙産業の特殊工程の国際認証「Nadcap(ナドキャップ)」で、熱処理、非破壊検査、溶接の各工程の認証を取得するなど、品質保証体制を整えている。社内で足りない工程は外注を利用しながら、複数工程を一括して受注・管理し、品質を保証して製品を供給する。

 GE向けエンジン部品の生産体制構築が目下の課題だ。そのために、小型真空熱処理炉新設などの設備投資を2017年に実施した。鋳造、検査工程はGEの認証を取得済みで、熱処理工程の認証も18年3月までに取得予定。4月以降の量産開始を目指す。

 機体部品の実績は豊富だが、エンジン部品は初めて。エンジン部品は交換需要があるため、取引が本格化すれば、受注数量は一定の規模を見込める。「エンジン部品は品質が一段と厳しく、品質保証の担当者には負荷がかかっているが、今がふんばりどころだ」と千田取締役。GEへの部品供給を足がかりに、さらなる新規開拓に結びつける考えだ。
(文=千葉・陶山陽久)

日刊工業新聞2018年1月15日

日刊工業新聞 記者

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01月15日
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設立は1939年(昭14)。55年にロストワックス鋳造事業を開始し、現在は同事業にほぼ特化している。鉄系、アルミ系、銅系などさまざまな材料に対応する。アルミ系合金の鋳造では、鋳造後の冷却方法の工夫により、凝固速度を高度に制御して鋳物内部の結晶粒を微細化し、強度を高めるという独自技術を保有している。
(日刊工業新聞千葉支局・陶山陽久)

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