【連載】挑戦する地方ベンチャー No.2 SORABITO(前編)

世界規模の中古建機市場を変える!

父譲りの起業家精神


 SORABITO代表取締役の青木隆幸氏は、起業家一族出身だ。父は5つほどの事業を手掛けており、ハワイでイチゴ栽培、イギリスで造園、代々受け継いだ土地である愛知県半田市では建設・不動産を営む、など多岐にわたる。青木氏は幼い頃からそういった父の背中を見て育ち、建機や農機具に親しんできた。

 その父譲りの起業家精神で大学時代は多くの事業を行い、21歳でリサイクル会社を起業。卒業後すぐに家業である建設会社で建機の買い取り販売の事業部を立ち上げた。「事業部といっても、完全な独立採算でした。せっかくやるからには業界ナンバーワンになろうと、当時誰もやっていなかったネットでの買い取り販売を開始したんです」(青木氏)。その目標通り、案件獲得数で業界一位を獲るまでに成長した。

 しかし、「業界にいると問題点がいろいろと見えてきた」(青木氏)。建機取引では古くからの商習慣が根強く残っており、今もなお全国的に行われている現金と機械との危険な相対取引や、買い手と売り手のミスマッチなど、解決すべき課題は多い。
 また、日本の建機は東南アジアや中国をはじめ海外でも大人気だが、そうした海外の買い手に対する販売手段やノウハウを持つ国内の業者は決して多くはなく、大きなチャンスをみすみす逃してしまっているのが現状だ。買い手側にしても、日本各地に点在するオークション会場や売り手の拠点に自ら足を運んだ上で売買交渉に望まなければならず、大きな非効率が生じていた。
 「この業界をITの力で何とかしたい」という思いが強まり、完全に独立して名古屋へ移転。2014年5月に「SORABITO」を設立した。

活発な中古建機市場に着目


 同社の目標は「世界で使われ、世界を変えるサービスをつくる」こと。独立後はIT系の受託事業を行いながら、いくつかのサービスを運用してきた。9カ月間試行錯誤し、その中で育ってきたのが「ALLSTOCKER」。建設機械や車両、農業機械など、膨大な量の「働く機械」が集まるオンラインマーケットプレイスだ。2015年1月からはALLTOCKERに注力し、一気に開発を進めリリースした。また、注力できるサービスを見つけたことで、受託事業をやめて資金調達に切り替えた。

 建機は世界中で急速に需要が高まっているが、新品は基本的に受注生産なのですぐに手に入らず、さらには高額である。それに対し、中古はほぼ同じ性能を持ちながら半値以下となることもざらで、人気が高い。建機のライフサイクルコストは特殊だ。購入してから手放すまでのコストに占める本体価格の割合が30%程度に収まる一方で、約70%はメンテナンスに費やされる。また、現場が変わると必要な建機も変わるため、ある程度使用した後に手放すケースも多い。こうした事情から、中古建機は日々活発に取引されている。

 一方で、中古建機をはじめとする「働く機械」の包括的な取引の場は今まで存在しなかった。唯一、国内外のバイヤー達が集まる場としてはオークションがあるが、参加制限がある上に出品機械の数も決して多くはなく、取引上の各種コストの問題も解消されていない。青木氏は「インターネットをより上手く活用することが突破口となるのでは」と考えたのだ。
(後編は7月13日に公開予定)

<会社概要>
SORABITO株式会社
所在地:愛知県名古屋市中区新栄2-4-7 東和パークビル東館 2F
設立:平成26年5月
http://www.sorabito.com/

ALLSTOCKER
https://allstocker.com/


 

ニュースイッチオリジナル

佐藤 史章

佐藤 史章
07月06日
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東京ではなかなか思いつかなったビジネスモデルを展開されているベンチャー企業です。世界を目指した事業展開をされようとしたビジョンの高い企業が地方から発信されます。

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