太陽光発電からパワコンがなくなる日!蓄電池が損失を減らす
2019年からの自家消費移行にらむ
家庭用太陽光発電システムからパワーコンディショナー(電力調整装置)がなくなる日が来そうだ。京セラやエリーパワー(東京都品川区)、オムロンは太陽光パネルが発電した電力をパワコンを経由せずに充電する蓄電池システムを相次いで発売する。太陽光用パワコンがなくなると直流と交流の変換による損失が少なくなり、発電した電力を多く使えるようになる。各社とも2019年と予想される家庭用太陽光発電の自家消費型への移行を見据え、“太陽光パワコンレス”へ動きだした。
【システム発売】
京セラ、エリーパワー、オムロンは太陽光用、蓄電池用にそれぞれ必要だったパワコンを1台にまとめた蓄電池システムを発売する。太陽光パネルが発電した直流電力のまま充電し、家庭に放電する時だけパワコンで交流に変換する。各社とも「太陽光、蓄電池のパワコン機能一体化」と訴求するが、実際は蓄電池のパワコン機能だけで済む。太陽光の電力を充電して使う前提だと、蓄電池のパワコン機能だけが働くので太陽光パワコンが不要になるためだ。
現状、太陽光パネルが発電した直流電力は太陽光パワコンで交流に変換され、蓄電池への充電時に直流に、そして放電時に交流に変換される(直流↓交流↓直流↓交流)。変換効率が90%のパワコンでも変換1回で10%の損失なので、3回の変換で損失が積み上がる。5キロワット発電しても1キロワット以上の電力が途中で失われる計算だ。
3社の製品はともに変換は蓄電池から家庭への放電時の1回だけ。エリーパワーが4月に発売する蓄電池は家電に送るまでの損失を太陽光パワコンがある場合の半分の10%に抑えた。発電が5キロワットだと、損失は500ワットで済む。パナソニックとシャープは太陽光と蓄電池のパワコンを一体化し、太陽光パネルのパワコン機能を省いた蓄電池システムを発売済み。パナソニックは初めて製品化した12年度の販売目標は年1500台だった。3月に発売する新モデルは年3000台が目標だ。
【自家消費へ提案】
パナソニックエコソリューションズ社の山田眞グループマネジャーは「自家消費型への提案」と断言する。余剰電力の買い取り期間は10年。10年以降は買い取り価格の大幅な下落が想定され、発電した電力を売るよりも自宅で使う自家消費にメリットが生まれる。そして太陽光用パワコンの寿命も10年。パワコンの交換時に蓄電池を購入してもらえば自家消費型に移行できる。その時、太陽光パワコンが不要になる。
【19年問題】
京セラソーラーエネルギー事業本部の戸成秀道責任者は「19年問題への答えが自家消費だ」と力説する。余剰買い取り制度の開始から10年を迎える19年を業界では「2019年問題」と呼ぶ。その時、買い取りが終わった家庭に自家消費を薦める。それが太陽光パネルや蓄電池メーカーが描く次の戦略だ。
【システム発売】
京セラ、エリーパワー、オムロンは太陽光用、蓄電池用にそれぞれ必要だったパワコンを1台にまとめた蓄電池システムを発売する。太陽光パネルが発電した直流電力のまま充電し、家庭に放電する時だけパワコンで交流に変換する。各社とも「太陽光、蓄電池のパワコン機能一体化」と訴求するが、実際は蓄電池のパワコン機能だけで済む。太陽光の電力を充電して使う前提だと、蓄電池のパワコン機能だけが働くので太陽光パワコンが不要になるためだ。
現状、太陽光パネルが発電した直流電力は太陽光パワコンで交流に変換され、蓄電池への充電時に直流に、そして放電時に交流に変換される(直流↓交流↓直流↓交流)。変換効率が90%のパワコンでも変換1回で10%の損失なので、3回の変換で損失が積み上がる。5キロワット発電しても1キロワット以上の電力が途中で失われる計算だ。
3社の製品はともに変換は蓄電池から家庭への放電時の1回だけ。エリーパワーが4月に発売する蓄電池は家電に送るまでの損失を太陽光パワコンがある場合の半分の10%に抑えた。発電が5キロワットだと、損失は500ワットで済む。パナソニックとシャープは太陽光と蓄電池のパワコンを一体化し、太陽光パネルのパワコン機能を省いた蓄電池システムを発売済み。パナソニックは初めて製品化した12年度の販売目標は年1500台だった。3月に発売する新モデルは年3000台が目標だ。
【自家消費へ提案】
パナソニックエコソリューションズ社の山田眞グループマネジャーは「自家消費型への提案」と断言する。余剰電力の買い取り期間は10年。10年以降は買い取り価格の大幅な下落が想定され、発電した電力を売るよりも自宅で使う自家消費にメリットが生まれる。そして太陽光用パワコンの寿命も10年。パワコンの交換時に蓄電池を購入してもらえば自家消費型に移行できる。その時、太陽光パワコンが不要になる。
【19年問題】
京セラソーラーエネルギー事業本部の戸成秀道責任者は「19年問題への答えが自家消費だ」と力説する。余剰買い取り制度の開始から10年を迎える19年を業界では「2019年問題」と呼ぶ。その時、買い取りが終わった家庭に自家消費を薦める。それが太陽光パネルや蓄電池メーカーが描く次の戦略だ。
日刊工業新聞2015年03月02日 建設・エネルギー・生活面