「洋式トイレの便座は手のひらより雑菌が少ない」―TOTO「おもてなし」トイレ啓蒙

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TOTOの「おもてなしトイレセミナー」
 TOTOが地方自治体をターゲットにした「おもてなしトイレ」の普及啓発活動に力を入れている。観光振興は全国の自治体共通のテーマ。魅力的な観光地づくりには清潔で利用しやすいトイレの整備が欠かせない。TOTOは訪日外国人観光客をはじめ高齢者、障害者にも利用しやすく「また訪れたい」と思わせるトイレづくりをサポート。公衆トイレ市場の掘り起こしにつなげる。

 「外国人がトイレで困ったことは和式トイレの使い方がナンバーワン」「洋式トイレの便座を嫌がる人もいるが、洋式の便座は手のひらよりも雑菌が少ない」―。TOTOは5月、自治体の観光関連部署の担当者らを対象にした「おもてなしトイレセミナー」を各地のショールームで始めた。「訪日外国人2000万人時代に向けて」と銘打ち、特に外国人観光客の困りごとにスポットを当てたのが特色だ。

 在日外国人の日本のトイレに関する本音を実際のインタビュー動画などを交えて紹介するほか、公衆トイレを清潔に保つノウハウ、先進的な自治体の取り組み事例などを伝えている。自治体関係者の関心は高く、7月までに全国18カ所で開催する予定。800人超が参加する見通しだ。
 セミナー開催に先立って実施したアンケートでは全国1777の自治体のうち723自治体が回答し、回答率は4割を超えた。ダイレクトメールで実施した任意のアンケートにしては珍しいほどの高い回答率だ。

 ただ、関心の高さに比べて実際の取り組みには自治体ごとに濃淡がある。保有する観光施設などのトイレについて整備計画が「ない」と回答した自治体は全体の61%にのぼった。また、どんな利用者に配慮しているかを尋ねた設問では障害者や高齢者がいずれも6割を超えたものの、外国人を挙げた回答は1割ほどにとどまった。
 2014年に日本を訪れた訪日外国人数は1341万人と過去最高を記録。20年までに訪日外国人2000万人という政府目標は前倒しでの達成も期待される。一方では観光振興を地域活性化の切り札に据える自治体は多く、外国人観光客をどう取り込むかは重要な命題の一つになっている。

 こうした自治体に対し、セミナーを通じてTOTOが提案するのが公衆トイレの洋式化。外国人から高齢者まで使いやすく衛生的にも向上するという。温水洗浄便座「ウォシュレット」は水で身を清める宗教上の慣習からイスラム圏の人びとに喜ばれるようだ。
 こうした提案がどこまで自治体関係者の動きを後押しするのか。予算も絡むことだけに一朝一夕には成果が出ない事柄だが、地道に啓発活動を進めていく。

日刊工業新聞2015年06月25日 建設・エネルギー・生活面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

便座のフタが自動で開き、音楽が流れ、ウォシュレットがついていて、最後には自動で洗浄。日本のトイレは「おもてなし」をすでに体現しているのでは。もっともっと高みを目指してほしいと、いちトイレファンとして大いに期待しています。

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