イトーヨーカ堂が〝カゲの店舗〟――ネットスーパー専用店舗を開設、拡大に拍車

年間50億円の売上高を見込む

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倉庫内部は店と同じように、棚に商品が並んでいる
 セブン&アイ・ホールディングスは8日から東京都荒川区にネットスーパー専用“店舗”「ネットスーパー西日暮里店」を開設すると5日発表した。都内でネットスーパーを展開している店舗と連携し山手線内の潜在需要を掘り起こす。傘下のイトーヨーカ堂144店はネットスーパーを展開するが、これまで店舗から配送する仕組みが主流。今回はいわゆる倉庫型のネットスーパーで店舗補完型の拠点の設置により需要増加による販売機会の損失を削減する。

 「(現在の体制では需要の)件数に応えきれていないところもある」。イトーヨーカ堂の戸井和久社長はこう話す。需要が増加しているネットスーパーでは、希望の配送の時間帯などが埋まっていて販売機会の損失を起こす例ある。戸井社長によると店舗によって需要全体の3―5割が機会損失とみる。今回の西日暮里店はこうした取りこぼしを埋める狙いもある。

 売り場連動型の通常店舗での処理能力は1日500件程度だが、西日暮里店ではコンベアを導入するなど動線を短縮化しオペレーションを効率化、2000件まで処理能力を拡大する。売り場面積は約3600平方メートル、生鮮食品、一般食料品など約1万品目を扱う。配送時間帯もきめ細かくし、年間50億円の売上高を見込む。

 ネットスーパーは物流コストなどがネックになり黒字化のハードルは高い。住友商事は撤退を決めているほどだ。セブン&アイのネットスーパーの売上高は500億円。すでに黒字化し軌道に乗っていることもあって、都内の潜在需要の取り込みに攻勢をかける。

 これに対しイオンや西友なども体制整備に乗り出している。イオンはすでに千葉市美浜区の「マリンピア店」にネットスーパー用の受け取りロッカーを設置しているし、西友も長野県松本市の「元町店」に受け取りロッカーを設置する。2社ともに時間の制約なしに受け取れるロッカーを本格導入拡大する方針だ。

 ネットスーパーは配送のコスト負担は避けられず、これを軽減する施策が不可欠。大手スーパーの新たな取り組みがネットスーパーへの需要を広げ市場を拡大するか、注目されそうだ。

日刊工業新聞2015年03月06日 建設・エネルギー・生活面

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