モノづくりからみたW杯対戦国【セネガル編】

 2018年のサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の組み合わせ抽選会が1日18時(日本時間2日0時)からモスクワで開かれ、日本は1次リーグでコロンビア、セネガル、ポーランドと同組のH組となった(国名は対戦順)。2008年1月以降の記事検索が可能な日刊工業新聞電子版で対戦3カ国の国名を入れて検索したところ、コロンビア321件、セネガル30件、ポーランド534件となり、自動車関連を中心に日系企業の進出が進む東欧のポーランドが首位となった。どんな企業が対戦国に関わっているのか、詳しくは日刊工業新聞電子版をご覧いただきたいのですが、このニュースイッチの場を借りて各国ごとに近年の3件の主要記事を紹介します。第2回は2戦目のコロンビア。

災害用電源車


 芝浦工業大学電気工学科の高見弘教授は29日、電気とお湯を供給できる軽自動車型ハイブリッド電源車を開発したと発表した。熱を発生させて冷却し、温度差で発電する「スターリングエンジン」とソーラーパネルを軽トラックに搭載。冷却時に水を使うことで、お湯も作れるため、災害時の被災地での利用を想定する。量産化に向け提携企業を募集中。誰でも使えるよう操作を簡単にし、3年以内の実用化を目指す。

 搭載するスターリングエンジンは、木のバイオマス燃料を燃やして熱を発生させ、水で冷やして駆動させる。3キログラムを1時間燃焼して冷却すると、1キロワットの電力と45度Cのお湯200リットルを供給できる。今後、がれきなどの廃材を燃料にできるようにし、災害時における活用を進める。

 電源車の上部にはソーラーパネルを設置。晴天時には1時間で最大600ワット発電でき、夜間や天候不良時に向けた蓄電もできる。軽トラックの荷台に収まるように設計されているため、支援が必要なエリアへ即座に向かえる。

 高見教授は「災害時以外にも、電源がなくて困っている場所であればどこでも使える。活用場所を広げたい」と話している。現在、高見教授の研究室にはセネガルからの留学生が在籍している。電気のインフラが整っていないセネガルへの導入も検討中だという。

日刊工業新聞2016年11月30日



綿花


 輸入綿花で“国際貢献の糸”紡ぐ―。双日はセネガル産綿花を使ったTシャツなどの綿製品の開発・販売に乗り出した。綿花の輸入に際して「フェアトレード」と呼ばれる形態を採用。取引を通じ、セネガルの綿花生産者を支援するだけでなく、日本で手がける新しいコンセプトの衣料品ビジネスという点でも注目される。

 フェアトレードとは、発展途上国の原料や製品を適正価格で購入し、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立につなげる貿易の仕組み。海外では欧州を中心にコーヒー豆やカカオなどの輸入で採用が広がっており、例えば、2012年のロンドン五輪では選手村でフェアトレード認証の食材が多く使われた。

 フェアトレード認証製品の世界市場規模は12年度で約6200億円まで成長している。日本での市場規模は同年度で73億円にとどまっているが、国際協力や環境への意識を持った若者の間では認知度が高く、今後の市場の広がりが期待される。

 そこで双日グループで繊維製品の企画・製造・販売を手がける第一紡績(大阪市中央区)が、繊維分野でのフェアトレード認証製品の展開に乗り出した。同社は熊本県荒尾市に糸から製品まで製造できる国内唯一の一貫織物工場を持つ。「この強みを生かし、市場に製品を投入したい」(乾義和社長)との考えから、12年に国内の繊維製品製造会社としては初となるフェアトレード認証製品の製造組織としての登録を実現した。

 原料となる綿花は、双日グループが注力するアフリカ地域で認証済みのセネガル産とした。ただセネガル綿花の輸入は自社初の試みで、品質に多少の懸念があった。しかし、自社の分析結果から通常使われる米国や豪州産とは逆に繊維が長くて太く、手摘みのため繊維への傷も少ないなどの特徴が判明。不安は杞憂(きゆう)に終わった。

 そして第1弾のフェアトレード商品として、4月にTシャツとエコバッグを自社のインターネット通信販売で発売した。日本市場は「まだまだ様子見の状態」(同)だが、年内には百貨店で自社ブランドのタオルを発売する予定。また、大手小売店や衣料品メーカーとの商談を進めているほか、飲食店に従業員のユニフォームとしての提案も進めるなど市場開拓に力を注ぐ。

 セネガル綿花の輸入実績はこれまでに8トン程度だが、今後は商品群の拡充を進めつつ、輸入量を増やしていく方針。乾社長は「繊維業界でわれわれがフェアトレードの第一人者となれば、大きな存在となれる」とし、フェアトレード商品をテコに新規顧客の獲得につなげる。日本のフェアトレード商品普及への推進役としても双日への期待が高まる。
                 

日刊工業新聞2013年10月14日



糖度計


 アタゴ(東京都板橋区、雨宮秀行社長)はアフリカ営業担当部署を新設し、これまで販売実績がなかった中央・西アフリカ市場を開拓する。アフリカ担当部署を海外部の傘下に設け4人を配置した。農作物や食品の成分濃度を調べる糖度計に対する潜在ニーズがあると見て、現地情報を収集しながら需要を掘り起こす。アフリカ地域の売り上げは現在年約4000万円で、新市場開拓で1億円程度に引き上げる。

 同社の糖度計は国内シェア約9割、世界シェア約3割を持つ。これまでアフリカでは北部のチュニジア、エジプト、南部のナミビア、南アフリカ共和国などで販売してきた。ナイジェリアからセネガルにかけての中央・西アフリカについても「人口が多く、消費される食料は多い。競合他社に先駆けて進出すれば市場を押さえられる」(雨宮社長)と見る。

 現地では商習慣の違いや政情不安などのリスクもあることから、日本貿易振興機構(ジェトロ)や大使館などのルートを使って現地情報を収集し、営業活動を進める。同社はここ2年間でタイやブラジル、イタリア、中国に販売会社を設立するなど、海外販売体制を強化しており、アフリカ市場の開拓もその一環となる。

日刊工業新聞2011年8月23日



※内容、肩書は当時のもの

斉藤 陽一

斉藤 陽一
12月06日
この記事のファシリテーター

 同組のコロンビア、ポーランドと比べて検索記事数が一ケタ少ないセネガル。それだけビジネス開拓の余地も大きいということなのでしょう。

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