10m以上の高さまで発泡スチロール箱を積み上げ運ぶ競技大会、その開催理由とは?
出荷量減少、新たな用途拡大狙う
発泡スチロール箱の積み上げと運搬技術を競う「スチレンピック」の全国大会が初めて開かれた。一度に200個前後、高さ約7メートルまで積み上げ、人力で運ぶのは発泡スチロール業界の日常作業だが、あえて競技にした背景には主催者団体の危機感もあるようだ。
会場は滋賀県栗東市の大阪運輸倉庫。全国のスチレン製造メーカーから8社24人が参加した。主催は発泡スチロール協会(東京都千代田区、柏原正人会長=積水化成品工業社長)。
今回競技で使用したのは「イカ箱」と呼ばれるイカの出荷時に使う発泡スチロール箱だ。ひとつの高さは35センチメートル、重は130グラムで、10個束ねたものを一梱包として競技を実施した。どれだけ高く積みあげられるか競う部門では、最高30梱包(380個)を天井ぎりぎりの高さ13.3メートルまで積み上げた。10メートルともなれば重さは36キログラムを超える。バランスよく積みあげるコツは、自分側に傾けることだという。
成形された発泡スチロール箱は倉庫のスペース効率をあげるために高く積み出荷まで保管する。機械による補助はなく、倉庫での作業は手動が基本だ。競技参加者によれば、参加者が特別に秀でているというわけではなく、職場ではだいたい20数段運搬しているのが普通だとか。
箱を高さ8.75メートルに積み上げ3メートル先の机まで倒さず運搬する競技部門で優勝したのは、積水化成品北海道の三好修二さん(50)。二十数年、発泡スチロール箱に触れる業務に携わり、「普段の仕事が競技になるって新鮮だった」と振り返る。
そしてこの20ー30年の間に業界を取り巻く環境は大きく変わった。発泡スチロールの出荷量は1991年の23万7000トンから2016年には13万5000トンと、3分の2まで減少。全体の5割強が魚や野菜などの容器、3割が家電の緩衝材として使われているが、縮小の理由として魚の漁獲量と家電輸出の減少が関係している。
天候不順や乱獲により漁獲量が減少すると、鮮度を保つために使われる発泡スチロール箱の流通量も減る。家電も中国や韓国勢の台頭で日本メーカーの存在感が低下している。「スチレンピックで発泡スチロールが少しでも注目してもらえたら」(同協会)というのが全国大会を開いた狙いでもある。今後は用途の拡大も課題になる。
会場は滋賀県栗東市の大阪運輸倉庫。全国のスチレン製造メーカーから8社24人が参加した。主催は発泡スチロール協会(東京都千代田区、柏原正人会長=積水化成品工業社長)。
今回競技で使用したのは「イカ箱」と呼ばれるイカの出荷時に使う発泡スチロール箱だ。ひとつの高さは35センチメートル、重は130グラムで、10個束ねたものを一梱包として競技を実施した。どれだけ高く積みあげられるか競う部門では、最高30梱包(380個)を天井ぎりぎりの高さ13.3メートルまで積み上げた。10メートルともなれば重さは36キログラムを超える。バランスよく積みあげるコツは、自分側に傾けることだという。
成形された発泡スチロール箱は倉庫のスペース効率をあげるために高く積み出荷まで保管する。機械による補助はなく、倉庫での作業は手動が基本だ。競技参加者によれば、参加者が特別に秀でているというわけではなく、職場ではだいたい20数段運搬しているのが普通だとか。
箱を高さ8.75メートルに積み上げ3メートル先の机まで倒さず運搬する競技部門で優勝したのは、積水化成品北海道の三好修二さん(50)。二十数年、発泡スチロール箱に触れる業務に携わり、「普段の仕事が競技になるって新鮮だった」と振り返る。
そしてこの20ー30年の間に業界を取り巻く環境は大きく変わった。発泡スチロールの出荷量は1991年の23万7000トンから2016年には13万5000トンと、3分の2まで減少。全体の5割強が魚や野菜などの容器、3割が家電の緩衝材として使われているが、縮小の理由として魚の漁獲量と家電輸出の減少が関係している。
天候不順や乱獲により漁獲量が減少すると、鮮度を保つために使われる発泡スチロール箱の流通量も減る。家電も中国や韓国勢の台頭で日本メーカーの存在感が低下している。「スチレンピックで発泡スチロールが少しでも注目してもらえたら」(同協会)というのが全国大会を開いた狙いでもある。今後は用途の拡大も課題になる。
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