国内エチレン生産、フル稼働続く。そのけん引役はネット通販だった

石化業界は空前の市況高が継続

 石油化学工業協会が16日発表した10月の国内エチレン生産は、前年同月比5・1%増の54万6000トンで8カ月連続のプラスだった。10月は定期修理プラントはなかった。1基が設備改造で停止していたが、他プラントの高稼働で補った。

 国内エチレン製造設備の平均稼働率は97・8%で、損益分岐点の目安となる90%を47カ月連続で上回った。石化協の淡輪敏会長(三井化学社長)は同日の記者会見で「誘導品のポリエチレン、ポリプロピレンの需要は底堅く、海外市況高も継続しており輸入品代替の出荷が堅調に推移している」と述べた。

 主要4樹脂のうちポリプロピレン生産が落ち込んだ。日本ポリプロの鹿島工場で起きた一部設備のトラブルが響いた。淡輪会長は「国内需給が逼迫(ひっぱく)している中でそういうことが起きているので、どう調整するかがこれからの動きだ」と状況を見守る考えを示した。
                  

日刊工業新聞2017年11月17日

鈴木 岳志

鈴木 岳志
11月21日
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 「風が吹けば桶屋が儲かる」によく似た構図が今、石油化学産業で起こっている。言うなれば、「インターネット通販が普及すれば石化業界が儲かる」だ。中国の「独身の日(11月11日)」のセールは一大イベントであり、今年も中国ネット通販最大手のアリババが過去最大の1682億元(約2.9兆円)を1日で売り上げたばかり。商品を梱包する際は緩衝材が不可欠。緩衝材の原料は汎用樹脂のポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレンが多い。ネット通販の隆盛は何も中国に限ったことではなく、日本や米国でも既存の流通業に大きな打撃を与えている。日本の石化業界は空前の市況高が継続し、2017年4-9月期の各社決算は軒並み最高益を更新。隠れた牽引役はネット通販の隆盛にあり。

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