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いよいよデンソーが動き出す

製造業IoT、17年に全面展開目指す
 【名古屋】デンソーは2017年をめどにモノのインターネット(IoT)を取り入れた次世代のモノづくりを始める。生産設備のさまざまな情報をインターネット経由でリアルタイムで収集して解析し、不良予防や生産性向上につなげる。IoTをめぐってはドイツが国家戦略として「インダストリー4・0(I4・0)」を提唱。デンソーの競合である独ボッシュも中心となって推進している。今後、日本のメーカーでもIoTを取り入れる動きが本格化しそうだ。

 IoT導入は16年3月期―18年3月期までの新中期方針の重点施策として取り組む。今後2年間で導入可能な生産ラインや製品を見極め、試行する。例えば工作機械による部品の加工状況やラインに設置したセンサーからの情報データをリアルタイムで集め数値のトレンドなどを解析、その結果を元に不良を予知して問題が起きる前に防ぐ。さらに問題が起きても迅速に対応できるようにする。17年には全面展開のフェーズに入る計画。

 IoT導入に向け7月1日付で生産革新センターに「DP(デンソープロジェクト)―ファクトリーIoT革新室」を設置する。有馬浩二社長はI4・0について「いいところも悪いところもある」とした上で「IoTでデンソーのモノづくりを進化させたい」と説明している。

 デンソーは12年から極めて高い競争力を持つ工場という意味の「ダントツ工場」づくりを推進。その一環として大きさや段取り時間などを半分以下にした生産設備「n分の1加工機」の開発などを進めている。今後はn分の1加工機の海外拠点への展開、既存ラインの改造にIoTを加えた取り組みを推進。欧州勢に負けない競争力を持った工場づくりを実現する。
日刊工業新聞2015年6月24日付1面
清水信彦
清水信彦 Shimizu Nobuhiko 福山支局 支局長
ドイツのインダストリー4.0の旗振り役の1社であるロバート・ボッシュに対抗するように、いよいよ日本の自動車部品最大手、デンソーが動き出します。 問題は、社外とつながるデータのやりとりなどをどうするか。デンソー社内であれば、すぐにもできるような気がしますが、トヨタとかホンダといった客先、さらにはデンソーの調達元部品メーカーとどうやってつなぐのかが気になるところ。すでにトヨタにはe-カンバンという調達システムもありますし、ほかの自動車メーカーもシステムがあるはずで、それらとどう整合性をつけるのでしょうか。 生産部門出身の有馬新社長の目玉施策になるはずで、期待がかかります。

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