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1kgの定義が変わる?単位の法起源は大宝律令

キログラムをプランク定数に基づいた定義に
 長さや重さなどの単位を法律で定めた起源は、飛鳥時代の大宝律令まで遡る。1mや1㎏の基準が人や地域によって統一されていないと、私たちの生活は成り立たない。今、当たり前のように使われている質量の単位「キログラム」の定義が変わろうとしている。

 日本では、計量法という法律によって、日本中どこでも1m、1㎏が同じ長さ、同じ質量となるように計量の基準を決めている。また、世界共通の計量の基準も決まっており、「キログラム」は、約130年前より、計量の国際機関の本部に保管されている世界に1つしかない分銅「国際キログラム原器」の質量が1キログラムとして定義されている。普段、使っている体重計や分銅も、この原器が基準となり製造されている。

 しかしながら、このキログラム原器も長期的には表面汚染などにより質量にごくわずかな変動が生じることがわかった。そのため、この原器を廃して普遍的な基礎物理定数(プランク定数)に基づいた新たな定義に改定するべく、世界各国の国家計量標準機関が研究に取り組んできた。

 この研究はプランク定数を高い精度で測定するもので、単独では日本の国立研究開発法人産業技術総合研究所を含む世界の5機関が成功した。

 この測定結果は、2018年の国際度量衡総会で審議され2019年に施行される予定となっている定義改定へ向けて大きく貢献するものと期待される。

 正確にはかることの重要性を再認識するために、毎年11月を計量強調月間と定めて、各自治体で様々なイベントが行われている。是非皆さんにも、身近なものの計量について触れてみて欲しい。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
計量特需とか生まれそう。ひとまず今日から毎日体重計にのります。

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