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政投銀、航空機金融でボーイング子会社と提携

国内の金融市場と世界の航空機ファイナンス市場の橋渡し役狙う
政投銀、航空機金融でボーイング子会社と提携

政投銀の橋本社長(右)とBCCのマイヤース社長(両社の資料から)

 日本政策投資銀行(DBJ)とボーイングの100%子会社ボーイング・キャピタル・コーポレーション(BCC)は6月22日、航空機ファイナンス分野で業務協力協定を締結した。DBJは2011年に航空機ファイナンスに本格参入。同行が経営に参画するスカイネットアジア航空(ソラシド エア)が、2013年にボーイング737-800型機1機を実質自社保有化する際、シンジケートローン(協調融資)を地元九州の地方銀行と組成するなど、国内航空会社に対する機材の資金繰りも支援してきた。

 一方、BCCは日本国内の金融機関に対し、航空機ファイナンスのセミナーを開くなど、日本での航空機ファイナンスビジネスを長年育成している。今後20年間で世界の民間航空機市場が拡大していき、中でもアジア地域の成長が期待できることから、旺盛な資金需要に対応していく。両社は航空機ファイナンスの新たな手法の開発や、これまで海外で利用されてきた高度な手法の国内への展開や、国内市場の環境整備を進めていく。また、地域の金融機関や機関投資家などが航空機ファイナンスのスキルやノウハウを得る機会を提供していく。

 業務提携の一環として、DBJはBCCの支援を得ることで、7月から機体メーカーやエンジンメーカー、航空機リース会社など、世界の航空機ファイナンスの主要関係者が集まる非営利組織「アビエーション・ワーキング・グループ」に加盟。国内の金融市場と世界の航空機ファイナンス市場の橋渡し役を目指す。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
政投銀がボーイングと航空機ファイナンスで連携。民間機の需要が特にアジアで急増していることから機体メーカーとの連携を密にし、ファイナンス面でも日本の存在感を出していくことが重要になってきています。

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