フォードが米国の2工場にアシストスーツ試験導入

上向き作業で腕の疲労軽減へ

 米フォード・モーターは自動車の組み立てラインで働く作業員向けに、上半身用のアシストスーツを試験導入すると発表した。協力関係にある米エクソ・バイオニクスの製品。ラインに吊るされた車の底部に対して作業を行う場合、腕を持ち上げるたびにその重みを支えてくれる。米国内の2工場にまず導入する。

 ラインを移動する車の底部に部品を取り付けたり、ネジを締めたりといった、腕を上げた状態での繰り返し作業について、ワーカーの疲労軽減や怪我のリスク低減が狙い。

 発表リリースでは、実際にミシガン組み立て工場(ミシガン州)で頭上の作業にアシストスーツを利用している作業員の声も紹介。以前は仕事が終わって家に帰るとたいていは背中や首、肩が痛んだが、導入後はそうでもなく、「孫と遊ぶ元気も残っている」という。

 この「エクソベスト(EksoVest)」は、電気やセンサーを使わず、バネの力を利用して作業員が腕を上げる時にその動きをサポート。片腕当たり5~15ポンド(2.2~6.8キログラム)の重みを支える。本体重量は4.3キログラム。

 フォードでは米自動車労働組合(UAW)と協力しながら米国内の2工場を手始めに、欧州および南米など米国以外の工場への試験導入も計画している。

 2005年創立のエクソ・バイオニクスは医療、産業、防衛向けのアシストスーツを開発するベンチャー企業。ちなみに、カリフォルニア州リッチモンドにある同社の本社は、1931年に開設され、一時は西海岸で最大の自動車工場だったかつてのフォードの工場敷地内に立地しているという。

日刊工業新聞電子版2017年11月13日

安東 泰志

安東 泰志
11月13日
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コロンブスの卵というべきか、産業用ロボットでもないのに重労働をアシストしてくれる装置があれば多くの労働者が救われる。日本でも、人手不足が問題となる中、高齢層の活躍にも繋がるこうした発想があってもいい。

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