高速光デバイスと高速制御回路の技術を融合する千葉の実力ベンチャー

トリマティスがレーザー光検出・測距システムの開発キット

 トリマティス(千葉県市川市、島田雄史社長)は、レーザー光による検出・測距システムの開発キットの商用化を実現、近く市場投入する。高出力かつ短パルスの波長を放出できる半導体レーザーの光源部品と受光部品、制御基板をセットで提供する。自動車の自動運転向けのレーザーセンサーや生産機械の位置決めセンサーなどへの応用を見込む。価格は400万―500万円を予定。年20―30台の販売を目指す。

 対象物にレーザー光を照射し、反射する光の性質を読み取ることで、物質の検出や距離を計測できる。同技術は「LIDAR」(ライダー)と呼ばれる。発売するキットは、同技術の要素技術をまとめたもので、各種のセンサー開発に役立つ。

 トリマティスは半導体レーザーの回路設計技術に強みを持つ。これまでにピーク電流150アンぺア、パルス幅30ナノ秒(ナノは10億分の1)で駆動する半導体レーザー用ドライバー回路などを製品化してきた。

 今回は同社の手がける半導体レーザーに最適な受光基板、信号処理のための制御基板などを組み合わせて提供し、ユーザーの利便性を高める。半導体レーザーの種類はユーザーの用途に応じてカスタマイズして提供する。

 大出力で短パルスのレーザー光をセンシングシステムに用いることで、測定範囲の拡大や感度の向上が図れる。同社の製品は特に、高い検出感度が必要な用途や、水中・高湿などの特殊環境下でのセンシングをターゲットにするという。

日刊工業新聞2017年11月7日

川上 景一

川上 景一
11月07日
この記事のファシリテーター

ベンチャー企業が元気に活躍してくれる社会を創ることが、日本経済の課題として認識されて久しいが、ここへきて、それが変わりつつあるように思う。この記事のトリマティスもそんなベンチャー企業の1つだ。JEITAベンチャー賞受賞企業の同社は、「高速光デバイス技術と高速制御回路技術という2つの高度な技術を融合し、ナノ秒オーダーの光高速制御・統合を実現している企業」(第1回JEITAベンチャー賞審査評価から抜粋)だ。開発キットの商用化が、IoTで必要となる各種センサー等への組み込みに繋がっていくことを期待したい。

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