ボッシュ日本法人社長が見通す今年の日本市場の成長力は?

「前期より期待値は下がるが売り上げは伸びる」(ヴォルツ氏)。東南アジア市場のコントロールにも意欲

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国内生産は「経済環境の課題が大きくなっている」とヴォルツ氏
 ボッシュ(東京都渋谷区)のヴォルツ社長は18日、都内で記者会見し、2015年12月期の日本市場について「前期より期待値は下がるが、売上高の成長を見込める」との見通しを示した。自動車の電動化や運転支援、ネットワーク化に関する部品群の供給を引き続き強化。14年4月の消費増税後、国内自動車生産の回復が遅れる中でも成長の持続を目指す。

 独ボッシュ・グループの14年12月期の日本における連結売上高は、前期比約9%増の2750億円だった。日本の完成車メーカーに対する売上高は、全世界で同13%増加した。

 ヴォルツ社長は「15年の国内自動車生産は前年を下回る見通しで、経済環境の課題は大きくなっている」と指摘。一方で「完成車メーカーをグローバル規模でサポートできるのが当社の強み。特に東南アジア諸国連合(ASEAN)地域には大きなチャンスがあり、日本のボッシュ発で同地域のコントロールをさらに強化する必要がある」と述べた。

 <関連記事=今年4月に社長に就任したヴォルツ氏の横顔>

  《2014年4月に独ロバート・ボッシュ日本法人の副社長に就任。それから1年後に社長に昇格した。外国駐在は日本が初めて。日本で1年間を過ごす中で、技術力の高さをあらためて実感しているという》
 「日本は品質志向、顧客志向、納期管理など技術のベースがしっかりしている。IoT(モノのインターネット)のような新たな技術への関心も高く、ボッシュとして大きなチャンスを感じている。IoTは自動車だけでなく、生活のあらゆる側面に影響を与えることになるだろう」

 《横浜の研究開発拠点の機能強化など、日本市場でのビジネス拡大に向けた手を着々と打つ》
 「主力の自動車関連では自動運転や電動化、ネットワーク化など、日系自動車メーカーの技術革新に貢献していきたい。研究開発を通じて、ナノテクノロジーやロボットなど新しいビジネスに参入するチャンスも出てくると考えている」

 《グローバル企業として多様な人材の活用も重要課題と認識》
 「管理職への登用を含め、女性がもっとビジネスに参加できるように環境をさらに充実させたい。文化の多様性も重視する。現在、横浜の研究開発拠点では世界20カ国以上のメンバーが一緒に仕事をしている。例えばインドならソフトウエア技術といったように、各地域に強みとする技術がある。日本からも海外に技術者を派遣し、各地の得意技術をうまく融合できる体制を築きたい」

 《週末は関東近郊で観光やハイキング、山登りを楽しむ。ハンドクラフト(手仕事)が趣味で自家用車の修理を自ら手がけることも。「子供が小さいころ、人形が暮らすための手づくりの家をプレゼントしたのは良い思い出」と笑顔を見せる》

 <プロフィール> 
 1985年独カールスルーエ大工学博士取得。86年独ZF入社。96年独ダイムラー・ベンツ(現ダイムラー)入社。00年独ロバート・ボッシュ入社。エナジー&ボディ・システム事業部技術部門長、エレクトリカルドライブス事業部長などを経て、14年ボッシュ(日本)副社長。ドイツ出身、57歳。
 (文=斉藤陽一)

日刊工業新聞2015年04月15日 /06月19日 自動車面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

その経歴からも日系の部品メーカーが最も気にかける自分の一人だろう。ボッシュのグローバル戦略と日系の完成車メーカーのニーズをどこまで合致させていくか。特にトヨタとの関係に注目したい。

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ヴォルツ ボッシュ

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