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大型ヘリコプターや飛行船!パリ航空ショーで魅力的な構想相次ぐ

エアバス・ヘリコプターズは2年間で事業化を決断、ロッキード・マーチンは18年の納入目指す
大型ヘリコプターや飛行船!パリ航空ショーで魅力的な構想相次ぐ

エアバス・ヘリコプターズが開発計画する「X6=イメージ 」(同社提供)

 【パリ=杉本要】仏パリで開催中の「パリ国際航空ショー」で、新型機の開発が相次いで公表された。欧エアバス傘下のエアバス・ヘリコプターズは大型ヘリの開発計画を公表。米ロッキード・マーチンは長らく開発してきた飛行船の販売代理契約を米専門会社と締結した。次世代の技術を用いて、市場シェアの拡大に挑む。

 エアバス・ヘリコプターズは「X6」と呼ぶ次世代ヘリの開発構想を立ち上げた。現在、日本でも自衛隊や海上保安庁などが運用する「H225」(旧称EC225)の後継機として開発し、今後2年間で事業化を決断する。同社の民間向けヘリとしては初めて操縦系統に電気系統を用いる「フライ・バイ・ワイヤー」を採用するほか、燃費や機内の快適性向上を図る。

 一方、ロッキード・マーチンは20年以上開発してきた飛行船「ハイブリッド・エアシップ」について、専門会社のハイブリッド・エンタープライゼズ(ジョージア州)と販売代理契約を結んだことを明らかにした。同飛行船はヘリウムガスを積んで飛ぶ巨大飛行船で、搭載重量は20トン。

 2006年に試験機の初飛行に成功したが、まだ顧客はついておらず、今回の契約によってまずは初受注を目指す。ロッキードの担当者は「世界人口のうち半数以上は、舗装された道へのアクセスがない。道路を整備するコスト、時間、安全性は膨大になる」と、道路の要らない大型飛行船のメリットを強調する。18年の初納入を目指す。
日刊工業新聞2015年06月19日 1面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
杉本ファシリテーターの現地レポートもいよいよ大詰め。飛行船は夢があるが、安全性などが課題になる。利用シーンにもよるが。

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