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業界初、北陸電力が配電工事ロボット導入へ

18年度から。作業時間20分ほど短縮
業界初、北陸電力が配電工事ロボット導入へ

配電ロボットが力仕事を担当、細かい作業は人が行う(試作機による工事実演)

 北陸電力は電柱や電線などを取り換える配電工事を効率化させる「配電工事ロボット」を2018年度中に導入する。工事における力仕事をロボットに肩代わりさせ、省人化や作業環境の改善につなげる。現在、スギノマシン(富山県魚津市)、金沢大学と共同開発を進めており、このほど試作機を完成させた。配電工事のロボット化は電力業界で初めての試みで、実用化のあかつきには他社への販売も検討する。

 配電工事ロボットの対象は配電工事の中で最も頻度が高く、北陸電力が年間約1万件を手がける「電線離隔器工事」。電線離隔器は電線や電柱の交換時に取り付けるもので、設置には空中で電線を切断したり、接続したりする。通常は高所作業車のカゴに2人の作業員が乗り、重さが約10キログラムに及ぶ棒状の工具を持って実施する。

 これに対しロボットを用いた工法では3本のアームで構成するロボット「アシストアーム」をカゴに取り付け、1人の作業者がそれをカゴ内で操作する。

 これにより「力のいる作業はロボットが行い、人はその補助をする。細かい作業は人が行い、ロボットがその補助をする」(牧野浩配電部業務運営チームロボット開発担当課長)。

 アームは伸縮、前後の傾斜、横への平行移動の機能を持ち、操作盤のレバーで直感的に操れるようにした。これで切断時の電線の把持や、被覆のはぎ取り、切断といった力を要する動作をロボットにさせる。

 2人で1時間半から2時間かかっている電線離隔器工事が1人でまかなえ、作業時間も20分ほど短縮する見込みという。
日刊工業新聞2017年9月15日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
電力業界では高度経済成長期に大量敷設した電柱や電線などの配電設備の老朽化対応が課題になっており、配電工事の施工力強化が急務。北陸電力は18年度内に富山支店(富山市)で配電工事ロボットを1台採用した後、改良を加えながら他支店にも展開して、施工力の向上を図る。また、他社への販売も視野に入れている。 (日刊工業新聞富山支局長・江刈内雅史)

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