ハイテン製造の不純物を減らしました!JFEが硫黄を除去する技術を確立
脱硫剤の石灰粒を銑鉄の中に高速で投射。石灰使用量の半減など全製鉄所で効果を確認
JFEスチールは17日、銑鉄から硫黄分をより効率的に除去できる技術を確立したと発表した。脱硫剤の石灰粒を銑鉄の中に高速で投射することで、硫黄分との反応効率を1・3倍に高めたほか、脱硫後に排出されるスラグを脱硫に再利用することで、未反応のまま残っている石灰を有効利用できるようにした。これにより、石灰の使用量を半減したほか、最終的なスラグ量を3割削減した。
近年、ハイテン(高張力鋼板)など高級鋼の需要が増え、その阻害要因となる硫黄を効率的に取り除く技術開発が求められている。JFEではまずスラグ中に残る未反応の石灰を再利用することで、資源の節約になることに着目。超高温のスラグを次の回の脱硫工程の銑鉄に投入。その結果、スラグの持つ熱エネルギーも利用できるため、「昇熱するエネルギーを削減でき、(温度の低い)スクラップを多めに入れることもできる」(三木祐司製鋼研究部部長)ことから、温室効果ガス排出量の削減にもつながるとしている。
さらに、従来は石灰粒を銑銑の上からばらまいていたのを細いランスから高速で吹き付ける方式に変更。これにより、石灰が銑鉄の中で凝集しにくくなり、反応しない石灰分が減少。脱硫効率が3割上がった。同社は2012年5月までに全製鉄所にこれら技術を導入し、効果を確認。複数の特許が成立したことを受け、公表するに至った。
<関連記事=広島・福山の新転炉始動−国内トップ級のコスト競争力に(1月16日付)>
JFEスチールは15日、西日本製鉄所福山地区(広島県福山市)の第3製鋼工場で建設中だった3号転炉(写真)の始動式を開いた。新転炉は容積330トン。新転炉を活用して、溶銑(ようせん)中にあるケイ素やリンなどの不純物を取り除く予備処理工程に最新のプロセスを導入する。これにより、副原料の石灰の使用量を従来比で4割削減できる。
なお今回の設備増強で粗鋼生産能力に増減はないが、「転炉での副原料の原単位を大幅に減らすことができ、国内トップクラスのコスト競争力を確保できる」(亀山恭一常務執行役員西日本製鉄所福山地区副所長)と期待している。
一連の投資額は約200億円。経済産業省の12年度補正予算の「円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業」の助成を受けた。
近年、ハイテン(高張力鋼板)など高級鋼の需要が増え、その阻害要因となる硫黄を効率的に取り除く技術開発が求められている。JFEではまずスラグ中に残る未反応の石灰を再利用することで、資源の節約になることに着目。超高温のスラグを次の回の脱硫工程の銑鉄に投入。その結果、スラグの持つ熱エネルギーも利用できるため、「昇熱するエネルギーを削減でき、(温度の低い)スクラップを多めに入れることもできる」(三木祐司製鋼研究部部長)ことから、温室効果ガス排出量の削減にもつながるとしている。
さらに、従来は石灰粒を銑銑の上からばらまいていたのを細いランスから高速で吹き付ける方式に変更。これにより、石灰が銑鉄の中で凝集しにくくなり、反応しない石灰分が減少。脱硫効率が3割上がった。同社は2012年5月までに全製鉄所にこれら技術を導入し、効果を確認。複数の特許が成立したことを受け、公表するに至った。
<関連記事=広島・福山の新転炉始動−国内トップ級のコスト競争力に(1月16日付)>
JFEスチールは15日、西日本製鉄所福山地区(広島県福山市)の第3製鋼工場で建設中だった3号転炉(写真)の始動式を開いた。新転炉は容積330トン。新転炉を活用して、溶銑(ようせん)中にあるケイ素やリンなどの不純物を取り除く予備処理工程に最新のプロセスを導入する。これにより、副原料の石灰の使用量を従来比で4割削減できる。
なお今回の設備増強で粗鋼生産能力に増減はないが、「転炉での副原料の原単位を大幅に減らすことができ、国内トップクラスのコスト競争力を確保できる」(亀山恭一常務執行役員西日本製鉄所福山地区副所長)と期待している。
一連の投資額は約200億円。経済産業省の12年度補正予算の「円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業」の助成を受けた。
日刊工業新聞2015年06月18日 素材・ヘルスケア・環境面