羽田発着の中国路線が冬ダイヤから増便に!“爆買い”へさらに期待高まる
日中間の交渉決着。しかし一方的に中国からの渡航が増えると、日本発で航空券を取るのが難しくなる?
羽田空港の昼間時間帯(6―23時)に乗り入れる中国路線が、10月末から始まる冬ダイヤから増加する。日本と中国の航空当局間の非公式協議がまとまり、羽田と北京、上海、広州を結ぶ3路線を1日4往復運航し、日中双方の航空会社に2往復ずつ割り振る。日中間の航空交渉は尖閣諸島国有化で中断。いったん合意していた就航が棚上げになっていたが、政治的な関係の改善や訪日中国人の増加を背景に交渉を再開。羽田の昼間時間帯のほか、深夜早朝時間帯や成田空港でも増便に合意しており、訪日中国人の増加をさらに後押ししそうだ。
日中間の航空交渉は2012年8月にオープンスカイに合意し、羽田の発着枠拡大を前提に就航路線などの枠組みは決まっていたが、尖閣諸島国有化で交渉が中断。日中間の旅客流動も大きく落ち込んだ。しかし、14年11月に約3年ぶりの日中首脳会談が開かれ、1月に大幅な査証の要件緩和が実施されると、訪日中国人の数が急速に増加。14年は前年比83・3%増の240万9158人と過去最高となった。15年に入っても、中国は国別の訪日外国人数で2―4月まで3カ月連続のトップだ。
航空大手2社の14年度の中国線の旅客数も、全日本空輸(ANA)が同11%増の198万7882人、日本航空(JAL)が同7%増の125万6559人と大幅に増えた。日本から中国を訪れる訪中日本人の数が10年の337万人から減少が続き、14年は271万人まで減少したのとは対照的だ。
ふくれあがる中国から日本への旅客需要に対し、航空路線拡大の必要性が高まる中、日中の航空交渉が再開。10月25日に始まる冬ダイヤから増便される3路線でそれぞれ2往復分が、日本の航空会社に配分される。日本航空と全日本空輸が1往復ずつ運航することになるとみられる。
観光庁が集計した1―3月期の訪日外国人旅行消費額は前年同期比64・4%増の7066億円で、四半期としては過去最高となった。国別では中国が同2・3倍の2775億円で、2位台湾の1063億円(同46・3%増)の2倍以上。構成比でも全体の39・3%と4割を占めるなど、まさに「爆買い」が数字に反映された。
訪日中国人数は大きく伸びているが、13年の中国の出国者数は約1000万人。中国全体の旅客流動からみると、訪日中国人の数はまだ伸びる余地がある。中国線の増便は、さらなる訪日中国人の取り込みに向け、必要条件の一つをクリアしたことになる。
日中間の航空交渉は2012年8月にオープンスカイに合意し、羽田の発着枠拡大を前提に就航路線などの枠組みは決まっていたが、尖閣諸島国有化で交渉が中断。日中間の旅客流動も大きく落ち込んだ。しかし、14年11月に約3年ぶりの日中首脳会談が開かれ、1月に大幅な査証の要件緩和が実施されると、訪日中国人の数が急速に増加。14年は前年比83・3%増の240万9158人と過去最高となった。15年に入っても、中国は国別の訪日外国人数で2―4月まで3カ月連続のトップだ。
航空大手2社の14年度の中国線の旅客数も、全日本空輸(ANA)が同11%増の198万7882人、日本航空(JAL)が同7%増の125万6559人と大幅に増えた。日本から中国を訪れる訪中日本人の数が10年の337万人から減少が続き、14年は271万人まで減少したのとは対照的だ。
ふくれあがる中国から日本への旅客需要に対し、航空路線拡大の必要性が高まる中、日中の航空交渉が再開。10月25日に始まる冬ダイヤから増便される3路線でそれぞれ2往復分が、日本の航空会社に配分される。日本航空と全日本空輸が1往復ずつ運航することになるとみられる。
観光庁が集計した1―3月期の訪日外国人旅行消費額は前年同期比64・4%増の7066億円で、四半期としては過去最高となった。国別では中国が同2・3倍の2775億円で、2位台湾の1063億円(同46・3%増)の2倍以上。構成比でも全体の39・3%と4割を占めるなど、まさに「爆買い」が数字に反映された。
訪日中国人数は大きく伸びているが、13年の中国の出国者数は約1000万人。中国全体の旅客流動からみると、訪日中国人の数はまだ伸びる余地がある。中国線の増便は、さらなる訪日中国人の取り込みに向け、必要条件の一つをクリアしたことになる。
日刊工業新聞 2015年06月16日 建設・エネルギー・生活面