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ホンダ、クルマ工場のメガソーラーの電力をファミレスに販売

EV充電器も店舗に設置。お店情報もクルマに配信
ホンダ、クルマ工場のメガソーラーの電力をファミレスに販売

寄居工場のメガソーラーの電力を購入するとんでんの店舗

 ホンダはファミリーレストランを展開するとんでん(さいたま市南区)と、エネルギーや移動を効率化する取り組みで協力する。ホンダ埼玉製作所寄居工場(埼玉県寄居町)で発電した電力を関東のとんでん店舗に供給するほか、店舗への電気自動車(EV)充電器の設置などを行う。ホンダはスマートコミュニティー関連の実証事業などで企業や自治体と連携を増やしており、実用化や普及につなげる。
 
 ホンダが寄居工場に設置している太陽光発電の出力は2・6メガワット。ホンダは電力を新電力(PPS)企業に販売し、昨年末からとんでんがPPSを通じて寄居工場発電分の全量を買い取り、関東の約90店舗で消費する電力の一部として使用している。さらに今夏からホンダ製のEV用充電器を数十店に設置し、運用を始める。

 とんでんは再生可能エネルギーの利用などで顧客に向けて付加価値を提供したいニーズがあった。
 またドライブのルート上のおすすめ飲食店を教えるキュレーション型テレマティクスサービス「ロードヒンツ」に、とんでんの情報も載せる。「北海道発のレストランで、食材などにこだわりがある」(ホンダ)。

 エネルギー利用や移動を効率化するスマートコミュニティーを実現するには車だけでなく多様な技術が必要なため、ホンダでは異業種やサービス利用者、自治体などとの連携を広げている。超小型EVは都市や観光地、離島のそれぞれでの利用を想定し、さいたま市と熊本市、宮古島市で実証事業を実施。家庭での使用エネルギーの低減では東芝積水ハウス、最近では大阪ガスとの実証も始めた。またこうした技術を太平洋の島国など海外にも紹介している。

 2016年3月の新型燃料電池車(FCV)の発売を控え、今期はFCVや水素ステーションの普及に向けた取り組みを強化していく。


※「スマートコミュニティJapan2015」が6月17日開幕します(会場=東京ビッグサイト)パネルディスカッションではホンダも登場!詳しくは http://newswitch.jp/p/996
日刊工業新聞2015年06月16日 自動車面
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
クルマだけでなく、メガソーラーの電力も販売し、充電器も設置。さらにキュレーション型テレマティクスサービス「ロードヒンツ」での情報配信と。エネルギーを核にさまざまな製品・サービスを一手に提供する新しいビジネスのモデルとなる予感がします。

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