見えてきた〝ユニクロ流産業革命〟

アクセンチュアと提携、販売―生産までを改革

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会見する柳井正会長兼社長
 ファーストリテイリングは15日、アクセンチュア(東京都港区、程近智社長、03・3588・3000)と共同で、「ユニクロ」や「セオリー」など消費者向けアパレル事業の完全IT化に向けた体制を構築すると発表した。国内外でIT人材の採用と育成を進め、顧客満足度向上と社内業務効率化の観点から、ITを活用した取り組みを進めていく。将来は両社での合弁会社設立も視野に入れる。
 
 ファーストリテイリングはITを活用して、商品開発、計画、生産、物流、マーケティング、店舗、販売、リサイクルなど全ての工程を貫いたサービスの提供を目指している。
 
 そのために、アクセンチュアの協力を得てIT人材を確保し、業務の変化に合わせたシステムやインフラ構築の内製化を進め、迅速で柔軟な対応を可能にする。実店舗とインターネット上で展開しているEC(電子商取引)店舗を、違和感がないようにつないだ購買方法を提供できるように、利便性も追求する。
  
 同日、東京都内で会見したファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「グローバルでビジネスを展開するためにITは不可欠な存在だ。今回の協業を通じて、ビジネスの仕組みを変えていきたい」と意欲をみせた。
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 今回の提携で衣料品の購入体験が変わるかもしれない。現在はメーカーが企画した既成の商品から選んで買うか、はたまたオーダーメイドで体型に合わせた衣料品を作ってもらうというのが一般的。しかし、ユニクロは今回のアクセンチュアとの提携を通じ、2020年ごろまでに携帯端末を使って柄や素材、サイズなど選択肢を用意、〝セミオーダーメイド感覚〟の販売方式を取り入れるという。

 商品の開発はビッグデータを活用する。販売した商品から衣料品の販売で需要な要素である到来するトレンドを読み解くのは簡単ではないとみられるが、売れ筋商品の動向を高精度でつかみ、トレンドを予測するような手法を取り入れるとみられる。

 衣料品は色、柄、サイズ、デザインがあり、そうでなくても管理は複雑だ。ユニクロがセミオーダーメイドのような販売手法を考えているならば、さらに素材の仕入れから生産、販売までの一連の工程管理が難しくなるとみられるが、それをアクセンチュアと解決していく。

 ユニクロは商品にICタグを貼付し決済の迅速化、管理の高度化を進めているし、大和ハウス工業と組み物流体制の整備を進めている。ネットで注文した商品をコンビニで受け取れるようにすることも整備中だ。この〝インフラ〟をベースに店舗だけでなく、ネットと融合させ、顧客がいつでもどこでも、買えて受け取れるというまさにあらゆる販売機会を提供するものとみられる。 

 柳井正会長兼社長は現在進める改革を「産業革命」と称するが、まさにユニクロ流産業革命が槌音が聞こえてきた。

日刊工業新聞2015年06月16日 3面に加筆

COMMENT

 ユニクロはショールーミングもウェブルーミングにも対応できるような体制作りを考えているような気がします。そこに顧客が選択して服を作り上げるという要素を加えるのですから複雑です。しかし、そうなると店舗の役割も変わってきますし、商品の生産の仕方とか、デリバリー、はたまた企画や販売の方式などすべてが変わってきます。ユニクロ流産業革命は欧米のファスト型の専門店を超えていくのでしょうか。

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