ロボットができたてアツアツのパスタソース運ぶ―キユーピー工場、単純作業はロボに

現場人員、品質向上に集中

冷却層ローダー工程をロボット化した

**70度Cのソースを人が扱う  キユーピーが業務用パスタソースなどを生産する中河原工場(東京都府中市)で、ロボット化に取り組んでいる。これまでにパレタイジングや容器の整列作業などで約20台のロボットを導入。できたての熱い商品パウチ袋をまとめて冷却層に運ぶ工程も1年半前、ロボット化した。中野徹工場長は「人間の作業をロボに置き換える発想でなく、単純化作業だけをロボに行わせ、人間は品質に集中できるモノづくり環境を目指したい」と語る。  中河原工場でつくる製品は業務用が8割を占め、サイズも3キログラムや10キログラムなど大型が多い。冷却層にできたてのミートソース袋を送り込むローダーロボットのベースロボは、ファナック製。これをキユーピーのエンジニアリング子会社で独自にシステムに組み込んだ。「故障はほとんどなく、安定して動いている」と永井博史業務課長は胸を張る。  コンベヤーで流れてくる業務用ソースはできたてのため、表面温度が70度C近くもある。これを以前は人が、やけど防止のため手袋を二重にはめて作業していた。吸着パッドでソース袋を吸着し、冷却層に送り込む。吸盤状のパッドと送り込むスクレイバー機構の協調がポイントという。  作業時間は1日7時間で、ロボ投資額は1700万円。作業者の人数は12人が11人と1人減っただけだが、作業環境を改善した効果は大きいという。「東京五輪・パラリンピックを控え、工場に人手が集まりにくくなっている。ロボットに作業環境が悪い部分を代替してもらう」(中野工場長)。  人手で作業していた以前はごくたまに袋にピンホールがあるなどの苦情もあったが、ロボ導入でゼロになった。工場ではすべての作業を専門チームで分析し、ロボに置き換えられる箇所はないか、検討する。ロボを導入するために複雑な作業を工夫してシンプル化し、重労働もなくす。これにより従業員も落ち着いて本来の作業に集中できるようになり、ミスも減るという。  キユーピーは国内工場を量産化・自動化を徹底したマザー工場と、限定品や高付加価値品を生産するサテライト工場に分類している。中河原工場はサテライト工場。客先ごとの変種変量の要望に対応できるフレキシブルなモノづくり技術を磨く考えだ。コンベヤー寸法を1メートルから50センチメートルに短縮してシステム全体を小型化したり、休日出勤を減らしたりして生産コストの低減を図る。そのノウハウは、中国や東南アジアで稼働を始めたキユーピーの海外工場にも使えるかも知れない。 (文=編集委員・嶋田歩)

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