東大、実践的な事業化人材育成で成果―大学・企業の研究者ら対象

14件のうち、2件でベンチャーキャピタル(VC)出資の検討進む

受講者(内側)にVCなどのメンター(外側)が助言する(東大産学連携本部提供)

 東京大学産学連携本部による“事業化構想力を持つ人材”の育成プログラムが成果を挙げている。これまで取り組んだ14件のうち、2件でベンチャーキャピタル(VC)出資の検討が進み、2015年度からは企業の事業開発担当者も加わった。学内の若手研究者に加え企業の研究者も対象とし、三菱化学や横河電機などの関係者が参加している。イノベーション創出を担う産学の人材を大学で育成する手法として、今後も一層の成果が期待される。  育成プログラムは、参加者がかかわる研究成果の事業化を目指すことで人材育成につなげるのが目的。このため、VCや創業経験者らの指導によって事業化の構想を磨き上げ、優秀な案件については米国のシリコンバレーで発表する機会が得られる。  他大学にも同様の学内向けプログラムはある。しかし、企業人向けにはビジネススクールで過去の事例を追体験するような取り組みが一般的だ。一方、東大のプログラムでは、企業が研究開発中のテーマについて事業化を後押しするなど、実際の新事業創出につながる期待がある。  15年度は、5社と東大の19人による12案件・チームがプログラムに取り組んでいる。事業化に関して「自社の事業として行うか、ベンチャーとして切り出して行うか」「営業網や技術調達は単独か社外活用か」など、企業人も創業者として判断する視点を養う。  産と学や異業種間の交流に加えて、研究と事業開発の担当者といった多様な人材が集まることでさまざまな刺激が生じ、利点も大きくなるという。  このプログラムは文部科学省のグローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)として、14―16年度の3年間にわたって実施中だ。東大は、産学共同研究の成果を実用化につなげるためにも、企業の関係者が事業化の構想力を高めることは重要とみており、産学に眠っているシーズの発掘を今後さらに強化していく考えだ。

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