村田製作所は一日にして成らず(11)ムラタからmuRataへ

迫られる内なるグローバル化

**社内広報を一任  「グッドモーニング」。京都府長岡京市にある村田製作所本社の広報部の朝礼では時折、英語が聞こえてくる。社長の村田恒夫が最近とみに口にする「真のグローバル化」に向けた取り組みの一環。フィンランド人社員のカティ・マイヨを本社広報部に出向させ、海外拠点に向けた社内広報を任せている。  村田製作所の海外売上高比率は9割を超え、海外従業員も約1万4000人を数える。今では名実ともにグローバル企業となったが、「最近はM&A(合併・買収)もあったし、海外展開で新たな社員も増えている。社是や経営理念を理解できていない社員もいる」と村田はこぼす。  同社には社是や経営理念を守り抜くことで、高成長を果たしてきたという自負がある。村田は「広報部に出向させ、社是や理念を外国人社員にも分かりやすい表現に置き換える作業に従事してもらっている」と説明する。  「海外にも優秀な社員がたくさんいる。社是を理解してもらった上で、顧客に最高の価値を提供していく」と続ける。ローカル言語で本社の考えを発信できる“伝道師”を育成し真のグローバル化へ突き進む。  2013年10月。4人の中国人は緊張した面持ちで村田製作所の本社を訪れた。同社は昨年、採用活動で新たな試みを始めた。本社社員として中国人を採用。これまで留学生の採用はあったが、現地の人を本社で採用するのは今回初めて。「とにかくまじめで、印象は非常に良い」。管理グループ統括部長で執行役員の宮本隆二は満足げに話す。  採用された4人は、いずれも現地の大学を卒業した技術系の人材。「一歩踏み込んだグローバル人材育成の取り組み」と宮本は胸を張る。入社から数カ月が経過し、4人は各事業部に配属。流ちょうな日本語を操り、同僚とのコミュニケーションも上々のようだ。  中国市場は村田製作所にとって最大の需要地。宮本は「今後も中国ビジネスを伸ばす上で、日本人だけで(経営を)見るのは限界がある」と採用の狙いを説明する。それには本社の経営方針を理解しつつ、現地でも仕事をこなせる人材の育成が不可欠となる。(敬称略)

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