「グラフェン」で5Gスマホ向け新放熱部材、熱伝導率は銅の3倍

グラフェンを用いた5Gスマホ向け放熱部材

インキュベーション・アライアンス(神戸市兵庫区、村松一生社長、078・651・1332)は、シート状の炭素材料「グラフェン」を使った第5世代通信(5G)対応スマートフォン向けの放熱部材を開発した。グラフェンは銅の3倍に相当する1メートルケルビン当たり1200ワットの熱伝導率を持ち、かさ密度が4分の1なのが特徴。高速・大容量のデータ通信を行う5Gでは、端末の発熱量の増大が懸念される。薄型・軽量化ニーズにも対応する放熱材として需要を見込む。 インキュベーション・アライアンスはグラフェンを原料に特殊な成形方法でのグラファイト化に成功。厚さ0・3ミリメートルから対応できる。大手商社などの販路を活用し、5G対応スマホ向けに加え、ファンレスタイプのパソコンへの採用も狙う。21年発売モデルでの採用を目指す。また映像を映し出す素子自体が発光する8Kテレビや、車の電装化用途向けでの量産受注も見据える。2024年度に100億円の売り上げを目指す。 銅製の容器内に入った純水が蒸発と液化を繰り返し、熱を放出する従来の高性能放熱部材であるベーパーチャンバーでは、薄型化が進むと水蒸気が移動する空間が狭くなる。結果、循環が不十分で、放熱性能が十分に発揮できない懸念があるという。 放熱部材の性能は熱伝導性の高さと部材自体の厚みに左右される。インキュベーション・アライアンスの開発品は5G対応スマホなど端末機器のニーズに合致しており、優位性があるとみている。 同社は量産が困難とされてきたグラフェンの大量合成に世界で初めて成功した研究開発型ベンチャー。筆頭株主は官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)。

続きを読む

関連する記事はこちら

特集